煙管について最初に知るべき5つのリスト

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8月3日から6日に亘って行われた神事・住吉神社例大祭は、3年に1度の大きなお祭りでして、佃島の6ヶ所に大幟柱が立ち上がります。

その準備に約ひと月を要し、佃島は徐々に祭り一色に染まっていきます。

中央区・佃島は大きな開発の波に乗りながらも、この漁師町にはそこかしこに仕舞屋が残り、隣にそびえ立つ大川端リバーサイド21との新旧混ざり合った景観も、当初はちょっと違和感がありましたが23年も経ちますれば、それはそれでしっくりと馴染んで参りました。

提灯や手拭いなどに描きます「津久田」の字をあてた三文字がよく使われています津久安田 章大「田」

「なんで?」

「えっ?なんでって聞かれてもなぁショック…『佃』ってぇひと文字だとサ、恰好がつかないってぇか…収まりがつかねぇってかサ、まっ・そんなとこだ!」

東京・佃っ子は万事・この調子でありますヤレヤレ・・・

さて…御旅所(おたびしょ)に、子ども神輿と提灯が入りました提灯

神輿

こちらは大人が担ぐ大神輿…御神体が乗られる神輿ですので、水を掛けられたりして失礼がなきよう、桝組(ますぐみ)から囲垣(いがき)までの神輿の胴体部分を真っ新の晒しで巻いて仕上げます。

子ども神輿も同じように晒しが巻いてありました。

ついでに…こちらのお兄ぃさんの短い胴体にも巻いておきましょうネコ・毛繕い

こうして足を踏ん張って巻かないと、神輿を担いでいるうちに緩んできてしまいますので、腹に力を入れ、息をグッと止めたまま巻いてもらいます!

キリッとした六人衆は住吉神社の外を守る鳶職の面々でございます。

これが佃島の祭りを仕切る鳶の盛装となります…左から三番目が「組頭(くみがしら)」、副組頭、小頭で半纏の袖山が橙色に色分けされています続かれて丸

両の脇が六番頭、六番筒先とそれぞれの役職が半纏の襟に記されております。

滅多に見られぬ六人衆ですが、さすがに鯔背な(いなせ)な、その姿…いやいや見惚れてしまいますぷぷッ(笑)

背筋がスッと伸びているのに加え、雪駄(せった)の突っ掛け方が何んとも粋でござんす草履

鼻緒には決して指を入れませんで、踵が雪駄からはみ出しているのが良いんです!

これを突っ掛けると言いまして、案外と穿くのにコツが要るんだそうで、なるほど見ているとべたべたと歩くでもなく…雪駄の裏に埋め込まれている金具の音を聞かせるため、すこしだけ引きずるように歩を進めます!

然しながらズルズルと引きずっては野暮の骨頂となってしまいますので、やはり年季が物を言う履物なのだと改めて思った次第であります…

兵児帯(へこおび)にさり気なく差してある根付(ねつけ)です。

象牙には大海原を行くクジラが彫ってあるようで、赤サンゴの緒締めの先には煙草入れとなっていますくじら

昔ならば刻み煙草と煙管、薬や矢立(筆記用具)、黄門様でお馴染みの印籠であったのでしょうが、この煙草入れは普通の巻き煙草が入っているとか…喫煙

さて…日にちを早送り致しましょう走る

祭り2日目は若衆が活躍する「獅子頭・宮出し
が行われる日であります!

1部、2部、3部の若衆の用意も済んで、余裕の笑みですはっぴ

浴衣の袖は肩までたくし上げ、裾は尻っ端折(しりっぱしょり)に、足元は白の地下足袋が宮出しの装束となっています。

白はち巻きに挟んであるのは5円玉が入っている「おひねり」で、駆け付けた折りに獅子頭に向かって投げる、大事なものです。

こちらが獅子頭…各・町内に雄・雌一対の獅子頭が氏子を守るために安置されております琉球獅子

青い浴衣を着ている方は世話役ですから、宮出しを見守るだけでございます…昔は一番を競って走ったもんです!

旗

住吉神社境内には獅子頭が氏子たちが走って来るのを今か今かと待ち構えております!

参道の向こう・突き当りは隅田川…若衆は赤い旗が振られるの瞬きひとつせずに待っていまして、その姿は闘牛をも彷彿させる勢いかと…ふぇるじなんど

一斉にスタートを切ったようです!

「来たっ来た!

汗が飛び散っているのが目に見えるようですあせる

境内に1歩入ったところで「おひねり」を獅子に向かって投げますポ~ン

こちらも全速力で走って来たっ!

上手くカーブを回り込んで来ました!

シーサー  

目指すは…獅子頭の鼻の白い綱でございまして、これに一番手に掴んだら獅子頭を誘導させ引き合わる権利を貰え、先立って雄・雌を引き合わせます!

今年は2部、3部、1部の順で宮出しが行われました。

若衆の爪の先、指の節、手の甲は獅子頭にぶつかり・挟まれたりして傷だらけ…絆創膏が多いほど?頑張った証となるのでしょうか?

各町内神輿渡御が始まる前、神輿が行く道を獅子頭が先に通ることで清められるとの言い伝えがございます。

ここでも世話役が先導し、6対の獅子頭が佃1丁目を出発致します。

連日33度を超す猛暑で氏子・みんなフラフラでしたが、わたくしも脱水しちゃって頭がモウロウとしてる状態で干乾びている体が尚一層カラカラとなってしまい、乾物屋に並んでいる干しワカメのようでありましたショック…

ホント!真っ黒に日に焼けてワカメもビックリですワカメ

この後の宴席で飲むビールが堪らんほどの美味しさで、ゴクゴクと喉を通過して行く冷たさを思い浮かべ、あともうひと踏ん張りと鼓舞させて歩いておりました!

明日は我がおぃちゃんの船が大活躍する『船渡御出船(ふなとぎょでふね)』の海上祭を晴海沖にて執り行う神事でありますが、何しろ神輿の宮出しが朝の5時30分…出船が7時という早朝の神事なもんで、わたくし体力が残っていたら駆け付けるのですが、はてさてどうなることやら…ガクリはぁ~

乞う、ご期待のほどをビックリ

煙管が気になるあなたに限定情報

剣友・岸井左馬之助 

◆先月、雪の茶店で、左馬之助が、

「おかげでおれは、妻子もなく、金もなく、一剣に託すべき夢も消え果てた」

 つぶやいたそのことばを、いまさらに、平蔵はおもいうかべたのである。

 悄然(しょうぜん)と役宅を出て行く左馬之助に、

「また来てくれるだろうな」

 平蔵が念を入れると、

「おふささんを失ったかわりに、おりゃ、お前さんをまた得たものな」

「おれとて、同様だぞ」

「うむ・・・・・また来るよ」

(一)本所・桜屋敷

◆坊主あたまながら小刀をたばさんだ老人・・・・・と見えるが、この男、長谷川平蔵と同年の四十四歳で、平蔵とは若いころの剣術友達だ。名を岸井左馬之助といって、父の代からの下総(しもうさ)・佐倉の浪人である。

 平蔵が盗賊改メに任じてから、岸井左馬之助の蔭からの助力は大きかったといわれる。岸井は変装に妙を得て市井(しせい)に埋没し、さまざまの情報を平蔵におくりわたして犯人検挙に協力をした。

(一)浅草・御厩河岸

◆岸井は人相も見るし、手相も見る。剣術も大したものだが、その方も、

「易者で立派にめしが食えるのさ」

 と、彼自身はっきりというし、

「平蔵どのは長生きできぬよ」 

 まじめな顔で、ずばりといってのけたりする。

(一)暗剣白梅香

◆「死ねい!!」

大河内の剛刀が、うなりをたてて打ちおろされんとした。

(最後だ・・・・・)

 平蔵が観念の眼(まなこ)をとじた。

 かわして、かわしきれるものではなかった。

 ところが・・・・・。

 大河内の一刀は落ちてこなかった。

 そのかわりに彼の、張りさけんばかりの号叫(ごうきょう)がおこった。

 大刀をかざしたまま、大河内一平の体軀(たいく)がぐらりとゆれた。

 

 倒れ伏した大河内一平の背に小刀が、ぐさりと突き立っていた。

 平蔵も、刺客たちも瞠目(どうもく)した。

 一個の人影が、この決闘の場へ走りこんで来るや、またたく間に猫鳥の伝五郎を、抜き打ちに斬って捨て、

「銕さん、おれだ」

 と、声を投げてきたのである。

「や、左馬之助か・・・・・」

 なんと、江戸での剣術友だち、岸井左馬之助の旅姿がそこにあった。

(三)兇剣

◆岸井左馬之助が、平蔵たちの後から急ぎ足で、峠へのぼって来た。

「おう、左馬。ここだ、ここだ」

「や・・・・・」

「おそかったな」

「む・・・・・」

 左馬之助は、眼を伏せた。

 あれ以来、彼は街道すじに、旧友・鎌ちゃんの行方を追ったが、ついにわからずじまい

 さりとて、何やら人の世の裏街道をわたりつづけているらしい鎌太郎のことを、人もあろうに鬼の平蔵へ打ちあけるわけにもゆかぬ進境なのである。

(三)駿州・宇津谷峠

◆「御頭、なにが可笑しい?」

 と、このごろの左馬之助は、もういっぱし、火付盗賊改方の一員になったつもりでいるらしい。

 もっとも・・・・・。

 初夏のころに、またも平蔵が(火盗改方)の長官へ就任して以来、数度にわたり大小の盗賊を捕えてきたが、そのたびに、岸井左馬之助は(遊軍)としてかなりの活躍をしている。

 このごろは彼、親友・長谷川平蔵をたすけて、[お上の御用]のため、無償ではたらくことが、

「たのしくて、たまらなくなった」

 のだそうである。

(四)五年目の客

◆左馬之助は、いささかのためらいもなく身を起し、大男の跡から杉林の中へ入って行った。

 いま、江戸の盗賊どもをふるえあがらせている火付盗賊改方[鬼の平蔵]が無二の親友、岸井左馬之助としては、こいつ、打ちすてておくわけにもいかなかったのであろう。

 江戸へもどった岸井左馬之助は、寄宿先の押上(おしあげ)・春慶寺へ草鞋(わらじ)を解くよりも先に、清水門外の火付盗賊改方・役宅へあらわれた。

          ◇

 とにかく、平蔵もおどろいた。

「左馬之助。こりゃあ、お手柄だ」

 長谷川平蔵が真顔になり、

「いくらでも恩に着よう」

「ざまあ見ろ」

(四)敵

◆しかし・・・・・。

 左馬之助は、そ知らぬ顔でいながらも、

(どうも、妙な・・・・・)

 と、感じていた。

 宿役人さえも、うっかりとききのがしていたが、あのとき庄右衛門が、道中手形や肌着を入れた包みを盗られた、といったことが、妙に、

(引っかかる・・・・・)

 のである。

 たしかに、そうした包みは見えなかったし、どのような包みか知らぬが、金の入った胴巻が無事でいて、ろくなものが入っていない包みが盗まれたというのは、左馬之助にとって解(げ)せぬことだ。犯行があった部屋には行燈(あんどん)も点っていたのである。

(もしや・・・・・明け方に、この老人が厠(かわや)へ立ったのは、その包みを便壷の中へ投げ捨てたのではあるまいか・・・・・?)

 つまり、身分証明書ともいうべき道中手形を、

(はじめから持っていなかったのではないか・・・・・?)

 と、気づいたのであった。

 そうなれば、

(この老人も、怪しい)

 ことになる。

(七)雨乞い庄右衛門

◆「辰藏さんはすじが悪いからのう。親に似ているのは、あのほうだけだ」

「ばか。いまのおれを見よ。まるで聖徳太子だ」

「うへえ。おっかない聖徳太子があったものだ」

(七)泥鰌の和助始末

◆左馬之助が、

「帰りには久しぶりで、巣鴨の仙右衛門どのをたずね、泊りがけで語り合いたいものだ」

 といい出したからである。平蔵との親交も三十余年。左馬之助はむかしから、平蔵の従兄・仙右衛門とは仲が良い。

(七)盗賊婚礼

◆老僧・宗円と岸井左馬之助の関係は、こうである。

 左馬之助は、下総の国・印旛郡・臼井(うすい)の生まれで、生家は郷士でもあり庄屋でもあった。十七歳の折に左馬之助は好きな剣術の修行をおもいたち、江戸へ出て、押上の春慶寺へ寄宿し、本所の高杉道場へ通い、ここで、長谷川平蔵と親交をむすぶにいたった。

 のちに・・・・・。

 平蔵が、めでたく家督をゆるされ、京都町奉行に任じられた父・宣雄にしたがって京へおもむいてしまったので、左馬之助は急にさびしくなり、いったんは、故郷へもどったが、天明四年、三十九歳の春に、

「江戸が恋しくてならぬので・・・・・」

 ふたたび、故郷を出て、押上村の春慶寺へもどった。

 このとき、春慶寺の老和尚は、まだ健在でいて、左馬之助のために、わざわざ、わら屋根の離れを建ててくれたものである。

 そのとき、宗円が春慶寺にいたのだ。

               ◇

 左馬之助は、自室に床の間へ、宗円の遺品・藤四郎吉光の短刀を置き、線香をたてて、冥福をいのった。

 しなびた糸瓜(へちま)のような宗円の笑顔が、左馬之助の脳裡にうかんできた。

 吉光の名刀を遺品としてもらうほどに、

(おれは、宗円坊から好かれていたのだろうか・・・・・?」

 なぜ、この遺品を国もとの弟へ、とどけようとはしないのか。

 次郎吉にみとられて死ぬとき、宗円は、たしかに、

「この短刀を、わしの友だちにさしあげて下され。そのお人は岸井左馬之助さんというて、江戸の、本所の、押上村の春慶寺という寺に、まだ、いなさるはずじゃ」

 こういったそうである。 

(八)明神の次郎吉

◆読み終えた小野田の手紙をまきおさめたときの、平蔵の顔はまじめなものであった。

「それで、左馬、おぬし、そのお靜さんとやらをもらうつもりなのだな」

「む・・・・・この年になって、見っともないこととはおもうが・・・・・なれど、このごろは何かとその、女の手が、ほしくなってなあ」

「もっともだ」

 あくまでも、まじめ顔の平蔵に、左馬之助は戸惑った。

(このはなしをしたら、どのようにからかわれることか・・・・・)

 と、覚悟をしていたのだ。

「それはよかった。男にせよ女にせよ、おぬしの年ごろになって独り身なのは、万事によくない。ことに、男の独り身は早死をするそうな」

「もう、死んだところでかまわないがね」

「それで、どうする?」

「明日でも府中へ行って来ようとおもう」

「お静さんを迎えに、か?」

「そうなるか、どうか・・・・・おれはな、平蔵さん。こんなことも考えているんだ。小野田さんも江戸へ来てもらって、いっしょに住んでもよいのではないかと・・・・・」

「それはよい。それがよい。おぬしたちが住む小さな家を、おれが見つけてやろう」

「ほ、ほんとうかね」

「わけもないことさ」

 平蔵にぽんと肩をたたかれ、左馬之助が無邪気に、うれしげに笑う顔は、とてもこれが四十をこえた剣客のものとはおもわれなかった。

 岸井左馬之助が、お静と夫婦になり、金杉下町の家で小野田治平も共に暮すようになったのは、翌年の春のことである。 

(八)あきらめきれずに

◆その日は、昼間からちらちらと雪がふり出し、底冷えが烈しく、平蔵も居間の炬燵(こたつ)へもぐりこんでいて、折からあそびに来た剣友・岸井左馬之助に、

「まるで腰のぬけた爺さまだ。その姿を見て、がっかりしたよ、平蔵さん」

 などと、冷やかされていたのである。

(九)泥亀

◆夜ふけてから、平蔵の剣友・岸井左馬之助が役宅へあらわれ、泊った。

 ところで、岸井左馬之助は、あれから
すっと、役宅へ泊りつづけているのだ。

「さて、いよいよ今夜らしい。長く引きとめて、わるかったな」

 あの[あきらめきれずに]事件が縁となって、老剣客・小野田治平のむすめ・お静と夫婦になり、下谷金杉町裏に新居をいとなんで以来、現金なもので岸井左馬之助、めったに役宅へあそびに来なくなっていたのである。

「おい、まだ、子供が出来ぬのか?」

「平蔵さん。からかってはいけない。おれも、お前さんと同い年なのだからね」

「だらしのないやつ」

 笑った平蔵の顔が引きしまって、

「では、佐嶋と打ち合せて、よろしくたのむ」

「うむ、大丈夫だ」

                    

「おれも、これまでに、ずいぶんと、このいのちをつけ狙われたものだが、それにしても長谷川平蔵が長谷川平蔵を闇討ちにしようとは、おもわなんだ。なあ、左馬之助」

 かたわらにいた岸井左馬之助は、それにうなずきながら、手鏡(てかがみ)に、おのれの顔をうつし、縫針で自分の額のあたりを突ついている。

「何をしておられます?」

 と、酒井同心が尋ねた。

「なあに、平蔵さんと久しぶりに、高杉先生直伝の組太刀をつかって斬り合ったとき、双方の刃と刃が噛み合い、細かな破片が飛び散って、額へめりこんだのをほじり出しているのですよ」

 と、事もなげに左馬之助が、

「むかし・・・・それこそ、むかし、若いころには何度もあったことですよ。なあ、平蔵さん」

「うむ、うむ。いったん、めりこんだ破片が三日か四日もすると浮き出して来るのだ。それを、ほじり出すのさ」

 なつかしげにいう二人を見て、与力・同心たちは、あらためて当夜の、平蔵・左馬之助の、迫真の一騎打ちの凄まじさを知った。

(十一)土蜘蛛の金五郎

◆いまも相変らず、岸井左馬之助は妻・お静と、下谷の金杉下町裏の小さな家に暮している。

 お静の父・小野田治平は、去年の十一月に、風邪をこじらしたのが原因(もと)で病歿(びょうぼつ)してしまった。

 その前後から左馬之助は、神田佐久間町四丁目にある一刀流・松浦源十郎元宣の道場へ、毎日通うようになっていた。

「松浦先生は、御元気かな?」

「お達者だ。それよりも、そのはなしというのは?」

「むかし、むかし・・・・・」

「おい、おい、平蔵さん。はなしの出方が尋常ではないな」

「そうとも。むかし、むかし、高杉道場で、わしとおぬしは龍虎などとよばれていたものだが・・・・・そのほかに、もう一人加わって、三羽烏ともよばれていた」

「うむ、うむ」

「その、もう一人の男、忘れてはおるまいな」

「長沼、又兵衛・・・・・」

「そのとおり」

「又兵衛が、どうかしたかね?」

「まあ、こういうわけだ」 

(十二)高杉道場・三羽烏 

◆長谷川平蔵が若き日、本所・出村町の高杉銀平道場へ入門して以来の親友である岸井左馬之助は、いま、妻お靜と下谷の金杉下町の小さな家で暮している。 

「生涯、妻はもらわぬぞ」

 などと威張っていた左馬之助が中年に達し、おもいがけず、お靜と夫婦になった経緯(いきさつ)は[あきらめきれずに]の一篇にのべておいたが、お静の父・小野田治平も一昨年の初冬に金杉の家で息を引きとり、いまは夫婦二人暮しであった。

(十四)あごひげ三十両

◆「すくないが、あとで一杯やってくれ」

 すかさず、こころづけをわたすと、番頭の態度は、さらに良好のものになった。

下総・佐倉の郷士の二男に生まれた岸井左馬之助だが、若いころから江戸に暮しつづけているので、こういうところは手なれたものだ。それに四十をこえてから、親友の長谷川平蔵をたすけ、たびたび、盗賊改方のためにはたらくようになり、さらには恋女房をもらってからの左馬之助には以前の精悍さが影をひそめ、見るからに温厚な風貌に変ってきている。

(十五)特別長編 雲竜剣 剣客医者

◆「平蔵さん。何か、あったのか?」

「あったとも」

「旅仕度をして来たぞ。何処へ行けばよいのだ?」

「わしについて来てくれ」

「え・・・・・?」

 平蔵は、左馬之助を書院へみちびいた。

「何です、これは?」

「通夜だよ、左馬」

「そうらしい。いったいだれが亡くなったのです?」

「おぬしの知人(しりびと)よ。なればこそ呼んだのだ」

「私の・・・・・」

「ま、死顔を見るがよい」

 怪訝(けげん)の面(おも)もちで、遺体の顔の被(おお)ってあった白布を除(と)って見て、

「あっ・・・・・」

 岸井左馬之助が愕然(がくぜん)となり、

「こ、これは、又四郎・・・・・」

「さよう」

「ふうむ・・・・・」

 唸(うな)ったきり、しばし左馬之助は声もなかった。

              ◇

「佐嶋がな、大和屋から、お吉を連れて来たそうじゃ」

「事情(わけ)をはなしたのですか?」

「そうらしい。この上、お吉を大和屋へ置いては危ない。大和屋の方にも、しばらくは、われらが気をつけてやらねばなるまい。とこ
で左馬。たのみがある」

「何です?」

「どうなるか、まだわからぬが・・・・・しばらくの間、お吉をあずかってくれぬか。おぬしの御内儀ならば面倒を見てくれよう。どうじゃ?」

「私でよかったら・・・・・」

「たのむ」

(十六)霜夜(しもよ)

◆「何、左馬之助が来たと・・・・・」

 久栄の知らせに、むっくりと半身を起こした平蔵が、

「これは、おもしろくなってきたぞ」

「何が、おもしろいのでございます?」

「うふ、ふふ・・・・・」

「ま、いやな笑い様をあそばしますこと」

「早く通せ。ついでに忠吾をよんでくれぬか」

「はい」

 間もなく、岸井左馬之助が居間へあらわれ、

「平蔵さん。今日は見廻りをおやすみか。どうも、そんな気がしたので立ち寄りました」

「左馬。よく来てくれた」

「何やら、うれしそうですな」

「そうか、な・・・・・」

そこへ、同心・木村忠吾があらわれた。

「およびでございますか」

「忠吾。岸井さんを牢屋へ案内(あない)し、昨夜(ゆうべ)、捕えた嶋田の惣七の顔を見せてあげてくれ」

「はい」

「何です、平蔵さん。その嶋田の惣七というのは・・・・・」

「ま、よいから見ておいで」

「わからぬなあ」

 妙な顔をして、岸井左馬之助は木村忠吾と共に居間を出て行った。

「うふ、ふふ・・・・・」

 平蔵は亡父遺愛の銀煙管へ煙草をつめながら、またも笑い出した。

 久栄が入って来て眉をひそめ、

「おやめあそばせ」

「ばか笑いと申すのか・・・・・」

「そのとおりでございます」

「ま、此処にいるがよい。いまに左馬之助が、蒼い顔をしてもどって来るぞ」

「それは、また・・・・・?」

「ま、此処にいなさい。おもしろいぞ」

 今日は曇っている。

 開け放した奥庭に、白い夏の蝶がはらはらとたゆっていた。

 風はないが、いかにも涼しい。

 やがて、廊下に足音がきこえ、左馬之助が居間へもどってきた。

「平蔵さん・・・・・」

「どうした?」

「あれは・・・・・あの老人は、もしや・・・・・?」

 いいさして絶句した岸井左馬之助の顔は、まさしく蒼ざめている。

 久栄がびっくりして、平蔵を見た。

 長谷川平蔵が、笑い出しながら、

「左馬。おどろいたか・・・・・」

 と、いった。

(二十)顔

◆岸井宅へ入った平蔵は、その夜のうちに、岸井左馬之助がつかう剃刀(かみそり)で頭をまるめてしまった。

 左馬之助の家へ来てからは、わざと髭(ひげ)も剃らなかった。

 そのかわりに、濃い眉毛を鋏(はさみ)で刈り込み、薄くした。

「これは、おどろきましたなあ。到底、平蔵さんには見えぬ。それに、十(とお)は老けて見えます」

 今朝、一足先に道場へ出て行くとき、岸井左馬之助が平蔵の顔、托鉢姿を見て驚嘆の声を発した。

「左馬。ほんとうか?」

「ほんとうですとも」

「ならばよし。おれも、おもいきってうごける」

「あなたほどのお人が、ここまでになさるとはなあ・・・・・」

「当たり前のことよ」

「いや、当たり前ではありませんよ」

 左馬之助は、昂奮(こうふん)の面持ちで出て行った。

(二十二)特別長編 迷路 托鉢坊主

🔶「さようさ。わしも、もはや、これまでとおもったが・・・・・」

 と、長谷川平蔵がいった。

 毎日の単独微行(びこう)で市中を歩きまわっている疲れが、平蔵の面に色濃く浮きあがっていたけれども、何やら一抹の安堵が低い声音(こわね)にこもっている。

 平蔵の前に、岸井左馬之助と筆頭与力の佐嶋忠介。

 次の間には大滝の五郎蔵・おまさ、それに左馬之助の妻女お静がひかえていた。

 ここは、左馬之助の家である。

「二人の曲者は、まさに、三沢家の門内へ押し入るかに見えたが、そうではなかった。あれは、三沢屋敷の様子を見に来たのじゃ」

「と、申されますのは・・・・・?」

「いずれは、押し込むつもりなのやも知れぬ。やつどもは、三沢屋敷の周辺(まわり)を丹念に見てまわり、日暮れ近くなってから辻駕籠を拾い、引き揚げて行ったわ。おそらくは、麻布・暗闇坂の道場へ帰ったのであろう」

 平蔵は、この上の尾行は無用と見きわめをつけ、半刻ほど、三沢屋敷の近くにいてから、巣鴨の追分まで出て駕籠を拾い、金杉の岸井左馬之助宅へもどったのである。

                 ◇

 佐嶋が

岸井左馬之助に関わる人達

井関録之助

・平蔵と左馬之助の旧友で、若いころに同じ高杉道場で剣をまなんだ井関録之助は、一時、乞食坊主になっていたが、後に小石川の
光寺の僧となり、いまは京都へ出かけ、江戸にはいなかった。

(二十二)托鉢坊主

臼井鎌太郎(左馬之助の幼友)

・自分から逃げるようにして出て行った鎌太郎の現在へ立ち入るつもりはなかったが、

(それにしても、おれに対して、あのすげなさは、どうも尋常ではない。どうも、おかしい)

(三)駿州・宇津谷峠

相模の彦十

・うなずいた相模の彦十が、汗と埃(ほこ)りにまみれつくした平蔵を見やって、

「それにしても銕つぁん・・・・・いえ、長谷川様よ、何とまあ、なさけねえ姿におなりなすったものか、くやしくてなさけなくて、泪(なみだ)も出ませんよう」

 ふるえ声で、そういった。

(二十二)高潮

佐嶋忠介

・彦十から平蔵の

[五鉄]の亭主・三次郎

・[五鉄]へ着くと、左馬之助は次郎吉を二階の小座敷へ案内した。

 亭主の三次郎も、宗円坊のことはよく知っている。

 左馬之助が手短に、わけをはなしてきかせると、

「そ、そりゃあ、ほんとうですかえ・・・・・」

 三次郎はおどろきもし、またそれだけに、次郎吉の親切を深くよろこび、

「まかせておいて下せえ」

 板場へ下りて行って、みずから包丁を取り、仕度にかかった。

(八)明神の次郎吉

お靜

・平蔵は、左馬之助の妻のお静へ、

「当分、厄介をかけることになりましょう。たのみましたぞ」

「はい。どのようなことにても、おおせつけ下さいませ」

(二十二)托鉢坊主

・老剣士・小野田治平の娘。

 左馬之助と結婚し、下谷・金杉下町裏に新居をかまえるようになる。 そのとき、お靜が酒肴の用意をととのえてあらわれ、

「先ず、一口おめしあがり下さいませ」

平蔵が着て出る法衣も、着替えを用意し、毎日、お靜が洗いきよめてくれるのであった。

(二十二)高潮

宗円

・宗円は坊主だてらに、

「一手、教えて下され」

 といって、左馬之助に剣術を習ったりした。

 ときに宗円は、もう五十をこえていたろう。

 宗円は、二年ほど春慶寺に滞留をしていた。

(八)明神の次郎吉

冨田梅右衛門

・左馬之助は越後・塩沢の町年寄・富田梅右衛門の

「あそびに来なされ」

 との招きをうけ、江戸を発った。

 下総・佐倉の郷士だった彼の亡父と富田梅右衛門とは古くからの親友であり、梅右衛門老人も若いころにはよく、江戸へも佐倉へも商用がてらにあらわれたものである。

 代々の家業は、越後名物の縮み(ちぢみ)の仲買だが、そのほうはいま息子にまかせ、町年寄の公務にはげんでいる梅右衛門は七十をこえて尚かくしゃくたるものがあった。

 亡父と同年の、この老人を左馬之助はなつかしくもしたわしくもおもい、文通を絶やしていない。

(冨田の小父(おじ)ごも、そういつまでも元気でいられるわけもないのだから・・・・・よし、この機会に顔を見てこよう。そうだ、二十年ぶりになるか・・・・・)

 それで、出て来た。 

(四)敵

鳥飼喜十郎

・まさに、岸井左馬之助であった。

 左馬之助は、この夏ごろから、小田原城下に道場を

松浦源十郎

岸井左馬之助は、いまも、神田・佐久間町の松浦源十郎道場へ通い、代稽古をつとめている。

 門人たちの信頼も厚く、老先生の松浦源十郎は、

「わしが死んだら、この道場を、おぬしへゆずる」

 とまでいってくれている。

(二十二)托鉢坊主

明神の次郎吉

・荷車の上で、明神の次郎吉は泪ぐんでいた。

(さむらいの中に、こんな人がいたのか・・・・・)

 左馬之助のひたむきな誠心(まごころ)に、次郎吉は胸を打たれている。

(八)明神の次郎吉

吉川勘吉

・両国橋まで来たとき、岸井左馬之助が、

「ちょいと、とめてくれぬか。すぐにもどって来る」

 といい、舟を東両国の岸へ着けさせ、あがって行った。

 本所・尾上町に住む釣道具師で吉川勘吉というのが左馬之助の母方の縁者で、そこへ所用があったのである。

(六)大川の隠居

・本所・尾上町に住む釣道具師。 左馬之助の母方の縁者。

(十二.高杉道場・三羽烏)

煙管 安値世界一への挑戦

今夏は、超猛暑でしたね。

皆さまもレジャーやお出かけ等々

楽しんでいらっしゃっていることと思います。

↑(ウラヤマシイです~♪)

楽しくもチョットバテた~!

休みじゃない~いそがしいんだ~(`×´)

という時に

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煙管 関連ツイート

面職人長谷部くんに煙管持たせたいなあ
RT @KAZU9103939: 今日のうちの子~!
SDここ、SDくんちゃん

手持ちの槍と煙管はお手製なので、よければ見ていってください♪
(6卓にいます)

ミクさんはドルパジャージ着てカメラ持たせてまーす♪ https://t.co/0YTuSofAkp

@syukuteki_TL 咽せてそう…わかる…姉上に誕生日プレゼントでもらったけど特に使わず持ってるだけの煙管

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