男はだまってお餅。
年末年始を実家で過ごします。
主人はお正月に少しだけ
私の実家に滞在しますが
あとは戻って猫たちと
自由時間を過ごします。
主人の故郷に行くのは
出張などの都合に合わせていて
まちまちです。
久しぶりの実家でも
私は熱心に「家掘り」します。
玄関飾りは毎年父が購入します。
他のお正月に飾るきれいなものは
家掘りで見つける計画でした。
特別に寒い日の朝
厚く張った氷を見つけました。
家族と子どもと氷を取り出して
足で踏みました。
「飾るもの」を家掘りで
探そうと思っていましたが
６畳の床の間で
バケツと雑巾を握りしめ
畳を拭いて床の間を磨いていると
飾るものも何もない部屋が
とてもきれいです。
隣の部屋のやかんの影が伸びて
不思議な形です。
小学生の頃は
洋室への憧れが強かったのですが
和室の影の陰影は
ハッとするほど美しくて
じっと眺めていました。
何もないのも
寂しすぎるかとも思い
庭の花をいけようと探しました。
寒い中で
ひっそり咲いている花をみつけましたが
とるのは気が引けました。
庭のみかんをとってよい
とのことだったので適当に
床の間に飾りました。
レモンのように
酸っぱいみかんです。
お餅に席をゆずるまで
みかんを飾ります。
床の間に
布団を敷いて寝ています。
「初日の出」はこの部屋で見ます。
床の間の布団で光を浴びながら
ごろんごろんしていたら最高です。
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お餅 少し愛して、ながーく愛して。
今年のお正月に
おせち料理を作りました。
母が作っていたように出来ません。
全くの自己流です。
私の受けとった伝統、しきたりは
「家族と愉快に正月を過ごす」ことと
「自分仕様に習慣を変化させる」ことです。
母は専業主婦が多い時代に
フルタイムで働いていました。
想像すると
「子どもがかわいそう」など
言われたことと思います。
自分のやりたいことに向かって
母が右往左往していた姿が好きです。
「私おせち」は
「食べたいもの」と「庭でなったもの」
「太らないもの」で構成します。
家族は濃い味付けを好まず
温かい料理に手が伸びます。
大好きですぐなくなるものを
入れました。
皆が好きな「数の子」を
食用菊で飾りまくりました。
開けた瞬間の皆の驚きが
私の企む喜びです。
野菜を並べて卵を並べ、
短時間で作りました。
ほかほかごはんで
「数の子」を食べると最高です。
正月は蕎麦、お餅、
特別なお菓子なども食べるので
ただでさえ食べることが多くなります。
フルーツを小さく切って
皆で食べました。
体が蘇る気がしました。
いつもおせち料理は
特別なもので
豪華絢爛、美しくなければ
恥ずかしい、笑われる、貧しい、
家族がかわいそうと言われそう
と思うと足がすくみます。
いつの間にか
目の前にいる人よりも
世間に向けて作っているような
気持ちになってきますが
笑われても良いから
目の前にいる自分たちが
楽しければ良いと思うようになりました。
お正月に散財することも
年末年始の体重増加に悩むことも
減りました。
庭でなった不恰好なキンカンは
私たちだけに特別です。
私は家族のために作ります。
私の伝統、しきたりは
「楽しい時間」それだけです。
畳の上にのっているピアノを
弾き
寝るときに襖の隙間を開けて
隣の部屋を子どもと覗き
朝は冷たい畳を上を凍えて歩きます。
豪華でもなんでもない
ただの時間がいつも特別です。
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