短編 よーく考えよー。お金は大事だよー。
物凄い勢いで短編の画像を貼っていくスレ
あいつの身元はすぐに洗った。
俺はバス停で別れたが、警察の仲間が追尾して、家も名前も調べてきた。
あのような場所にあのように現れた以上、裏のある人物ではないか確認しただけだ。
その結果、想定外の裏のある奴だと判明した。
シム・チャンミン、大学生、20歳。
両親と妹との四人家族。
…そんなことはいい、問題は、奴が特別警護対象者だということだ。
俺は、警察にあるだけの奴に関するファイルを読み漁り、自分が青ざめていくのを感じた。
こいつ…普通じゃねえ。
男にしてはちょっと可愛い、目なんかバンビみたいだ、なんて少しでも思った俺が馬鹿だった。
こいつは鹿の皮を被った猛獣、いや怪獣?
とんだ化け物じゃないか。鬼バンビめ…
ちょっとでも関わってしまった俺は、大丈夫なのだろうか?
その不安は、気のせいではなかった。
あの偶然の出会いから数日後、相棒のドンへがバタバタと駆け込んできた。
「ユノ、お前は話聞いてるか?」
「何のこと…?」
「警察から出向ってほんとか?」
「へっ?」
「お前が国の特別プロジェクトに引き抜かれるから、俺は来週からウニョクって奴と組まされるらしい」
何だよそれ、聞いてねえ…。
ふと、そんなことがあり得るとしたら、こいつ絡みなんじゃないか、という考えがよぎった。
答えは向こうからやってきた。
例のプロジェクトのチームリーダーだというキム・ヒチョル、それに医師のチェ・シウォンの二人が、俺を尋ねてきたのは、ドンへが駆け込んできた一時間後だった。
俺より少し年上なだけに見えるヒチョルという男、元々は情報機関の所属らしい。
シウォンは大学に所属する精神科医で、特殊な分野の研究をしているという。
「単刀直入に言いますが、来週からあなたには我々の仲間になっていただきます」
綺麗な顔だが、ヒチョルには迫力がある。
「あなたは偶然とはいえシム・チャンミンと接触し、彼はあなたに興味と好意を示した」
「今後、彼をコントロールする上で、あなたはきっと役に立つ」
こんな風に人生変えられるのはごめんだ。
「偶然がきっかけで、私の仕事まで取り上げられるとは思いませんでしたよ。警察の現場で今までどおり働きたい。すみませんが、私のことは諦めていただきたい」
「申し訳ないが、君に断る権利はない」
ヒチョルの大きな瞳がさらに大きくなった気がした。
「既に話はついているんだ。何もかも」
空気を変えるように、今度は医師のシウォンが話し出した。
「我々、シム・チャンミン対策チームには、二つの役割があります」
育ちの良さそうな紳士、だな。
「一つは、特殊能力者である彼を守ること。彼の力には他国も関心を寄せていて、誘拐されそうになったこともある」
あいつに手を出すなんて、怖いもの知らずにもほどがある。
「もちろん、誘拐しようとした連中はあの力に打ちのめされ、死なないまでも重傷を負ったんですが」
そうだろうよ。
「もう一つの役割、それは彼の力から一般市民を守ることです」
こんな風に言われるあいつも、不憫だな…。
「彼の力が暴走すると何が起こるかわからない。何しろ本人に自覚はなくて、ただの大学生としか思ってない」
「家族と友人のキュヒョンという子は事情を知っている協力者ですが、彼らや、正体を知らせず警護している我々だけでは、何かと難しい場面もある」
「あのとき、彼が遂に人を死なせてしまうのではと我々は懸念したのです」
奴からしてみれば、急に怪しげな男どもに囲まれて身の危険を感じたはず。力が暴走しやすい状況だった…。
「しかし、あなたが現れて、彼は暴走しないで済んだ」
この医師も、奴のことを心配して見守ってきた一人なんだろうな。
「あなたは彼のストッパーになり得る、得難い人材です」
ヒチョルも口を挟んだ。
「あなたならあいつを救えるかもしれない、チョン・ユンホさん」
「困った人を見捨てられないその性格、あいつのためにもこちらに来てください」
こんな風に人生を変えられるのは、やっぱりおかしいと俺は思う。
思うけれども、いま、俺は大学構内で奴を見つめている。
俺は白っぽいダメージジーンズに丸メガネ、院生か若手教職員くらいに見えるかな。
チャンミン、そう遠くないうちにまたお前とは接触することになるだろう。
今は茂みの中から鹿を見ているだけの虎だがね。
ぽちっとお願いします( ´∀`)/~~
*短編書くと、後から斜め上に妄想が膨らむのが私らしく…、いかがでしたか?
コメントいただけるとありがたいですm(__)m
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最近、読書あまりしないので、他の作品を読み勉強させていただこうかなと思います。
詩でも、短編でも、まだ連載中でも構いません。
リプで詳細を教えてくださいまし!
ありがとうございます!
最近、読書あまりしないので、他の作品を読み勉強させていただこうかなと思います。
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