ビデオカメラ キミがたのしいが、いちばんたのしい

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分け入っても分け入ってもビデオカメラ

明日の運動会のために今日はまったりDAY!


一眼レフとビデオカメラのバッテリーも充電OK運動会の荷物の準備・月曜日は代休なので運動会の後そのまま温泉宿泊。泊まり準備も完了 ♪
お弁当何作ろうかな〜
子供たち、ぐでたまチョコレート作りました
カスタードクリーム×ホワイトチョコで甘々
次女作↓

長女↓

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妄想のお話です。実在の御方々とは関係ありません。BのLもOKの方、よろしければお付き合いください。
♠︎= side S  

朔太郎(サク、サッちゃん)=智くんの甥 レオン(レオ)=翔さんの息子

♠︎

「それでは、俺らの3周年と、2人の新たな門出を祝して、乾杯!」

「「乾杯!」」「「かんぱ〜い」」

智くんの手料理が並べられたダイニングテーブルは、サッちゃんの手で華やかに飾り付けられた。カラさん仕込みのテーブルセッティングが見事だ。
今日は昼から、ニノと相葉ちゃんを招待しての食事会で、家族皆で準備をした。俺は買い出しくらいしか手伝っていないけど。

「まあ正直、翔さんがここまで続くとは思いませんでしたよ」

「ほんと。翔ちゃんたらすっかり可愛くなっちゃって。おーちゃん、どんな手を使ったの」

「ちょっと、2人とも、子供の前で変なこと言わないで」

智くんは笑うだけで何も言わない。
サッちゃんはキョトンとした表情で隣のレオンを見るが、レオンは相手にするなとばかりに顔の前で手を振る。

「そんなことより、2人のほうがびっくりだよ。まさか結婚するなんて」

今日の食事会は、ニノと相葉ちゃんの結婚祝いと、俺らの結婚3周年記念を兼ねたものだった。
ものには困らない2人に、どんなお祝いができるか家族会議をした結果、手料理でもてなすということに決まった。

「ははは、私も驚いています」ニノが照れるでもなく、飄々と笑う。

「ニノってば、プロポーズしても冗談で片付けようとしたんだよ。ひどくない?」

「おいちゃんも、2回ぷろぽーずしたもんね」サッちゃんが屈託無く笑う。

「え! 翔ちゃん、1回断ったの?」

「そうじゃないよ」

「おいらは、相葉ちゃんの気持ちがよおく分かるよ」智くんが、相葉ちゃんの手を取って、何故か2人で頷き合っている。

ニノと相葉ちゃんは、互いに尊重しあう仲で、俺にとっても理想的なカップルだった。
相葉ちゃんがニノにベタ惚れなのは、誰の目から見ても明らかで、尻に敷かれている感は否めない。
が、子供の頃から20年以上の付き合いの2人には、他人には計り知れない絆があるのだろう。

「にの、結婚したら、ゲームやめちゃう?」サッちゃんが眉を八の字のして聞く。

「まさか。そんな条件なら絶対に結婚なんかしないよ」

「よかった〜」今度はレオンがホッとした表情を見せる。

子供の思考というのは時に突飛で面白い。
大方、結婚というのは、これまでと変わること、ゲームまでやめてしまうのかと心配したのだろう。
ニノは、ゲームが上手いという一点で、子供達から絶大な支持を受けている。

「どうして、“結婚” って形を取ることにしたの?」

同性婚も以前に比べれば格段に知名度を持つようになったが、相変わらず手続きが煩雑で条件も重く、あえて結婚という形式を取らないカップルは多い。

「俺、次期社長に決まったの」

相葉ちゃんがサラリと言う。相葉グループって言ったら、年商◯百億の、大会社だ。

「えっ、すごい。それで?」

「そ、私は財産目当てです」

「ははは、ニノらしいな」

智くんは笑うが、相葉ちゃんは「もう、ニノ〜」と、泣きそうな顔だ。

「ところで、2人は、“3年目の何とか” は大丈夫だったの」ニノが茶化すように言った。

「え、あるわけないだろ。子供の前でそんな話をするなよ」智くんが珍しく怒っている。

「3年目の何とかって、なに?」何のことだ?

「え、翔さん、マジで言ってるの」

「ニノ、翔ちゃんは外国の人と同じって思ったほうがいいよ。とぼけてるんじゃなくて、たぶん本当に知らないんだよ」

相葉ちゃんから説明された、「3年目の浮 気」という言葉は、笑い飛ばしていいレベルの話だった。

「うわきって、なあに?」

サッちゃんの口からこんな言葉を聞くなんて。

「サク、大人の話だよ。知らなくていい」

智くんがそう流すと、レオンが「後で教えてやる」とか言うから、2人の間に火花が散った。

「もう、ニノ。そんなこと、あるわけないでしょ」

「もう4年目だから、危機は去ったってことじゃない?」相葉ちゃんも援護する。

「でも、あれ、続きあるよね。3年目の浮 気、5年目の破 局って」

「ニノ〜、もう、お祝いなのに…」相葉ちゃんが困り果てたように呟く。

「大野さんも翔さんも、揶揄うと面白いんだもん」

「…俺らで遊ぶな」

「にの、パパとおいちゃん、いじめないで」

サッちゃんにそう言われ、ニノもさすがにバツが悪そうな顔をする。

「おじちゃん、サッくんのデザートが食べたいな」相葉ちゃんの一言でニノが窮地から救われた。

「えへへ、今日はタルト・オ・ポワールだよ」

サッちゃんのフランス語の発音は、なかなか板に付いている。
リヨンから帰った後も、ユウヤの娘たちとよく電話をしているようだ。

「洋ナシのタルトなんだよね。俺が運ぶよ」手伝ってはいないが、横で作っているのは見ていた。

「パパ、僕も。飾り付けあるの」

サッちゃんと一緒にキッチンに行くと、「結婚おめでとう」と「3周年おめでとう」のプレートが用意されていた。

「パパ、これからもおいちゃんと仲良くしてね。これは、パパにだよ」と、俺のタルトに別のプレートを載せる。

「パパ大好き」と書かれた文字が涙でにじんだ。…俺、本当に幸せだ。

—–

「智くん、支度できた?」

「おう。子供っちは?」

「もうリビングに…」言いかけて、智くんのスーツ姿に思わず見惚れる。

「智くん、カッコいい…」

光沢のあるドレッシーなスーツは、俺が選んだものだ。

「翔くんも綺麗だよ」

「ふふ、こうして見ると、俺らが結婚するみたいだね」

「もう一回、挙式するか?」

姿見の中の智くんと目が合う。
優しく微笑んだと思ったら、急にいたずらっぽい表情になった。

「翔くんのそれ、脱がすの楽しみだな」

「もうっ、ムードが台無し」

「あはは、ごめんて。あんまり綺麗だから、緊張したの」

「緊張?」

「そ、翔くんが綺麗で、すげードキドキする…」


言って、智くんが甘い眼差しで見つめた。

「パパ〜、おいちゃ〜ん、ま〜だ〜?」

階下からサッちゃんが痺れを切らしたように叫ぶ。

「今行く〜」と返事をする智くんと見つめあって、優しいキスを交わした。

今日は、ニノと相葉ちゃんの結婚式だ。
秋晴れと言うのか、もう11月だから冬晴れか、抜けるような青空は、幸せな日にぴったりだった。

「今日はレオがビデオ撮るんだよ」

車中、サッちゃんが隣に座るレオに、ビデオカメラを渡している。家族イベントはサッちゃんがビデオ係を務めることが多かったが、今日は披露宴で出される料理やデザートの研究に勤しむつもりらしい。

「レオン、サクばっか撮んじゃねえぞ」

智くんがクギを刺すわけは、以前家族旅行で、レオンにビデオカメラを預けたら、サッちゃんしか映ってなかった、ということがあったからだ。そんなのも家族の思い出として、俺は楽しんでいる。

「分かってるよ」と言いながら、レオンは早速隣のサッちゃんを撮影し始めた。

会場は、相葉ちゃんちの会社が所有する豪華な式場だった。
併設の教会は、横浜にあった歴史ある建物を移築したらしく、まだ新しい式場にも関わらず、趣のある佇まいをしている。

教会に入ると、既に多くの参列者が席についていた。
後ろからでも誰が来ているか、大体の顔ぶれは分かった。
中にはニノの店で見かけるヤツもいる。

今回の出席に際し、事前にニノから参列者の名簿を確認させてもらっていた。
万が一にも、俺の昔の男と智くんが鉢合わせしないようにだ。

「大野、くん…?」

案内されて席に着くと、式場のスタッフが、驚いた表情で固まった。

「ユーリ…」

智くんが優しい笑顔を向けたのは、まだ学生と思わしき男の子だった。

(続きます)

ニンニンの日ハート

ユーリくん初登場です


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