ビデオカメラ オトナが、キュンとくる。
遂に……
小学校入学の日がやって来た…
穏やかな風が吹いた、春の朝……
今日も我が家は朝から大騒ぎ……
「ジュンス〜!ユチョン起こして〜!」
「はぁ〜い!」
昨夜は、入学式前夜ということで
ワクワクドキドキなユチョンとジュンスは
ランドセルを背負ったり
制服を着たり
勉強もしないのに机に座ったり
結局、遠足前のようにはしゃぎ
ジュンスはいつもの時間に起きてきたものの
ユチョンはまだ夢の中で……
チャンミンは何も動じない性格なのか
ちゃんと座って朝ごはんを食べている…
「チャンミン、おかわりは?」
「はい、おねがいします。」
いつもの通り……
ご飯をおかわりして、一人、黙々と食べてる……
ぎゃーだの、わあ〜だの
子供達の部屋から声がして
ジュンスと寝ぼけ眼のユチョンが下りてきた……
「じぇ〜おこしたよ〜!」
「ありがと、ジュンス!」
「ジュンスが……ジュンスが……」
「ん?ジュンスがどうしたの?」
「ジュンスがねてるおれのうえにとびのった〜!」
「だって〜おきないんだもん」
ご飯を口に運びながら
悪びれる様子もなくそう言うジュンス……
さっきの叫び声は
ジュンスに飛び乗られたユチョンの声か……
「ほら、ユチョンもご飯食べて」
「いただきます…」
眠い目を擦りながら
お箸を持ってご飯を食べ始めるユチョン……
「うわ〜!寝過ごした〜!」
そう言って、大声を出したのは
本日のカメラマン、ユノ……
卒園前
ビデオカメラを買った我が家……
ユチョンとジュンスの晴れ舞台を収めようと
買ったけど、どうしても僕には使いこなせなくて……
結局、卒園式も今日の入学式も
ユノにカメラマンをやってもらう事にした…
「充電大丈夫かな?」
「昨日の晩からやってるから大丈夫だよ」
「あ〜……緊張する〜」
「「なんで?」」
「だって……ちゃんと返事するんだよ?名前呼ばれたら…」
「わかってま〜す!」
「だいじょうぶ〜」
「ああ……ダメだ……手が震える〜」
「「へんなの〜!」」
笑ってるけど……
僕は笑えないよ……
卒園式の時もそうだったけど
始まるまで緊張して、手が震えて……
始まったら
胸を張って入場してくる二人を見て
なんだか感極まって泣いちゃって……
チャンミンに冷ややかな視線を浴びせられて……
思い起こせば、数年前……
産まれたばかりのユチョンの可愛いこと!
そんなユチョンが、こんなに大きくなって……
なんて思ったら、もう……もう……
それに……
やっぱり思うのは姉ちゃん達のこと……
自分達だって
きっと思わなかっただろう……
こんなに早く、子供達の前から消えてしまうなんて……
「ジェジュン……」
「ん?」
「姉さん達も一緒に行こうな…」
「うん……ジュンスのママもね…」
「ああ……」
僕はジュンスのママに会ったことは無いけど…
ユノがたった一枚だけ、写真を持っていた…
「この人がジュンスのママ?」
「そう……この一枚だけ……」
「そっか…」
「ああ……最後の方は、痩せて可哀想だった…」
「ジュンスは?会えたの?」
「ああ……」
「そっか…」
「まだ小さかったから…もう、覚えてないかもしれない……」
「そうだね…ユチョン達も覚えてないよ…」
「でも……この人が母親だって……ちゃんと知ってて欲しい……」
「当たり前だよ…この世にジュンスを産んでくれたんだから……」
「ああ……」
わざわざジュンスに写真を見せることはないけど……
これから先、もし、自分の親の事、知りたいって思ったら
僕とユノはちゃんと話そうって決めてる。
ジュンスが傷付くかもしれなくても……
それでも、ちゃんと話さないと……
僕達の大切な子供なんだから……
子供達もユノもご飯を食べて
今日は、ユノがチャンミンを保育園に連れて行ってくれた……
その間に
片付けをして、ユチョン達を着替えさせ
僕も用意をする……
保育園は私服だったから
毎朝、これあれってうるさいユチョンも
今日からは制服なので
大人しく、制服を着ている……
ジュンスは、基本、何でもいい……
何だったら、着なくてもいい……
「じぇ〜できた〜」
「ちょっと待って〜」
「ぼくもできた〜」
「ちょっと待って〜」
僕もスーツを着て
ユノが帰るのを待っていた…。
「ただいま」
「ユノ、着替えて」
「おう!」
バタバタとスーツに着替えるユノを手伝う……
ああ、やっぱりこの人カッコいい……
「なに?めちゃくちゃ見られてるけど…?」
「あっは…カッコいいなぁ〜って思って……」
「見慣れてるだろ、スーツ姿」
「そうだけど…でも、やっぱりカッコいいなぁ〜」
「ジェジュンもよく似合ってる」
「そう?ありがとう」
「まだでしょうか?」
「ぼくたち、さきにいきましょうか?」
僕とユノのやり取りを
ユチョンとジュンスが見て聞いてて
冷めた目をしてそう言った……
「わあ〜!ごめん、さあ、行こう〜!」
僕はカバンに
姉ちゃん達の写真と
ジュンスのママの写真をそっと入れた……
『姉ちゃん、義兄さん……ユチョン、小学生になります。大きくなりました…僕は、
ちゃん達に心配掛けてませんか?このままで大丈夫ですか?姉ちゃん……今日は一緒に入学式に行こうね…』
ちゃん達に心配掛けてませんか?このままで大丈夫ですか?姉ちゃん……今日は一緒に入学式に行こうね…』
『ジュンスのママ……ユノにジュンスを託してくれてありがとうございます…おかげで僕はジュンスに出会えました…僕なんかで頼りないかもしれないけど…今日、ジュンスは小学校入学です。一緒に、入学式見てくださいね…』
カバンを二回
ポンポン叩いて
僕は気合いを入れて入学式に挑んだ……
が……
結局、最初から最後まで
号泣した……
そんな僕の姿もユノはビデオカメラで撮っていた…
ビデオカメラの冒険
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電車内の出来事は、今の現状ではビデオ撮影は出来て無いけど…。
駅の構内での出来事は、ビデオカメラで映像が残ってるはずだから。
検証したら、どちらが悪いか判別出来るだろうに…f(^_^;
多分だけど…?