ますます興味深い短編♪
短編 それでも、人は、ケータイと呼ぶ。
研究予定8作のうち7作読みました。
残る一つは、時代推理なのでやめました。
わたしが小説を書くために勉強しているので申し訳ないですが、時代小説には手を出さないでおきます。
では、7作を並べます。
「ムッシュ・パピヨンに伝言を」ビストロ・パ・マルシリーズの話
近藤史恵…1993年鮎川哲也賞を受賞。2008年大藪春彦賞を『サクリファイス』で受賞。
『サクリファイス』大好きです。←こういう話は書けないけれど、
近藤史恵さん、憧れます
「的を外れる矢のごとく」市立高校シリーズの話
似鳥鶏…2006年鮎川哲也賞で佳作。翌年、デビュー。
似鳥さんって、ざっくり分けると羽生結弦系で、カッコいいなぁ。←おいっ
作品、面白いです
*****↑この二人は別格と考えましょう。
「緑の女」
櫻田智也…第10回ミステリーズ!新人賞(2013年)を受賞。
受賞後初登場(2014年ミステリーズ!新人賞発表号)。
ウィキによると、2015年、2016年に短編を一作ずつミステリーズ!に発表。
「あの日みた大空を忘れない」
瀬那 和章…2007年、『異界ノスタルジア』で第14回電撃小説大賞銀賞を受賞。
出版多数でありますが、2014年『雪には雪のなりたい白さがある』東京創元社
この本の番外編としての短編です。
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「スラマナの千の蓮」
岩下 悠子…城戸賞(脚本の賞)を受賞。 代表作に相棒、科捜研の女、おみやさんなどがある。
2012年に小説を発表し、その作品を含む短編集を2017年に刊行して作家としてデビュー。
「たのしい学習麻雀」
榊林 銘…第12回ミステリーズ!新人賞(2015年)で佳作。
「名前をつけてやる」
奥田亜希子…2013年すばる文学賞を受賞。
詳細は、
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7作中、殺人事件が起きるバリバリミステリは、「緑の女」だけでした。
櫻田氏はの作者です。
年に一回のペースで短編を発表してますが、出版はしてないのかな?
いやいやいやー。 ウィキに書いてなかっただけでしたー。
2017年に「サーチライトと誘蛾灯」を含む連作集を刊行してます!
すごいなー
2013年に受賞して、2017年に出版。
あこがれまーす
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さて、他の6作品でありますが、
一番ミステリから遠いところにいるのが、「名前をつけてやる」かな。
奥田氏、すばる受賞ですからしょうがないですね。
なぜミステリーズ!で発表しているのか、ミステリーであります。
次は、「あの日みた大空を忘れない」
これは単行本の番外編だからしょうがないかなー。
ちなみに『雪には雪のなりたい白さがある』
・内容紹介(アマゾンより)
港の見える丘公園、あけぼの子どもの森公園、石神井公園、航空記念公園。性別も世代も超えて、公園でしか出会えない人、公園でしか起きない奇跡を描く、あたたかで切ない、4つの物語。
きっと、この「奇跡」が謎となっていて、広義のミステリなのでありましょう。
「あの日~」は、そこに出てくる登場人物の後日譚みたいな作品なので、ミステリ色はほぼないです。
「たのしい学習麻雀」は、麻雀に関する記憶を失ってしまった主人公が、不良相手のやばい麻雀をやりながら、麻雀のやりかたを推理するという話であります
推理小説ではありますが、変化球であることは確かだと思えます
「スラマナの千の蓮」は、タイトルページの脇に、下記のような紹介文があります。
大学の水泳選手・瑛子が頼まれた、まだ生まれ得ぬ命をめぐる奇妙な人探し
――新鋭が紡ぐ謎と恩寵の物語
主人公の瑛子の恋物語は、ライトノベルな感じでありまして、
そこに出てくる謎が、これが謎でしょうか という感じであります。
ただ、その謎が解かれるとなかなか面白いです。
しかしながら、謎の提示部分がもやもやしているので、ミステリっぽくないというか、
いずれにしても、日常の謎系ではあります。
日常には謎ないですが。。。
ミステリーなので、ネタばれしないように気をつけてます。 意味不明になってしまい、すみません。
「ムッシュ・パピヨンに伝言を」
これも日常の謎系かー、と思いながら読んでいたのですが、
後半、すごいです。さすがです。
日常の謎系ではあるのですが、ラストまで読んで大満足しました
さすが、近藤史恵さんであります
「的を外れる矢のごとく」
なんか読んだ記憶がある。なぜだ と愕然としていたのですが、
2015年のミステリーズ!であります。
その後、出版された本で読んだことがあっただけでした
これも、殺人事件が起きない日常の謎系なのでありますが、
ばっちりミステリだと思えました。
さすが、似鳥鶏さんであります
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これら7作品を読んで、どんなことが参考になったか
●ミステリーズ!新人
選考委員が、応募作は日常の謎系が多いと言ってました。。
ミステリーズ!掲載短編も、ほとんど日常系謎であります。
もしかして、ばりばりのミステリを書くと、目立てるかも
書けないですけどねー
●何かについて、書く
そりゃ、小説ですから普通に何かについて書きますけどね。
でも、何かを書かないと、いけないなー、と思いました。
「緑の女」大学の研究室(ウミウシ)
「名前をつけてやる」産科クリニック、オンラインゲーム
「あの日みた大空を忘れない」航空記念公園、宇宙開発に携われる研究機関
「たのしい学習麻雀」麻雀
「スラマナの千の蓮」水泳、妊娠(水泳選手が妊娠する、という話じゃないです。)
「ムッシュ・パピヨンに伝言を」ビストロ、ブリオッシュ
「的を外れる矢のごとく」弓道部
ちなみに、ミステリーズに応募したミステリミッション作品でありますが、
上記のような感じで言えば、ボルダリングと酒屋であります。
では、次の作品は何を書くか
何も考えませーん。
でも、そこ、考えないとダメですね。
これはミステリでない小説でも言えます。
次、何を書くかなー。
ただ、この意味での「何を書く」というのは、考える順番としましては、
1番目ではないかもしれません。
●どんな謎か どんなトリックか
ミステリの場合だと、ここを考えてからそれを成立させるために「何を書くか」という順番になるかもしれません。
しかし、「何を書くか」ということが決まることによって、生まれるトリックがありますから、順不同であるかも。
●人間が描けているか
トリック重視の作品が流行っていたこともあったけれど、今は人間が描けているかどうかが重要だ、と講師が言ってました。
トリック重視の作品であっても、動機とかがいま一つだとガッカリしちゃいます。
やはり動機って、重要であり、ミステリを読む大きな楽しみの一つであります。
動機がちゃんとしているということは、人間が描けているということにもなると思います。
●キャラ
個性的な人間が描けているか。平凡な人であっても、個性はあるものです。
ちゃんとキャラ立ちしているか、といい言い方もあります。
こういう意味でも人間がちゃんと描けているかは、とても重要でありますね。
7作品、どれも個性的な登場人物が登場してました。
●切実さ
問題を起こす人(犯人?)、つまり動機も含めての切実さとか、謎を解く人の、どうしても謎を解きたいという切実さ。これがないと、別にいいじゃん、とか、なんでそんなことしたのかなぁ、ということになってしまいます。
ミステリでなくても、どうしてもこの小説が存在しなけれぱならないという切実さ、どうしても書かねばならない小説、そういうものは強いですよねー。
7作品、どれもそれぞれ登場人物にとって切実な物語でありました。
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わたしはどうしよう
連作目指せるミステリーを考えたのですから、どうにか、第2弾を書きたいものです。
長編書けなければプロとしてやっていけないと言いますが、
長編はノンジャンル系(わたしの場合は、純文のようなエンタメか、エンタメのような純文)で目指すことにして、
ミステリミッションは、連作短編を目指すぞ、おー
(長編ミステリを考えるのはなかなか無理という現実も)
「サーチライトと誘蛾灯」の櫻田智也さん、
文章がうまくて、なかなかいい話を書いていて、「緑の女」なんかは、ばりばりのミステリに挑戦
という雰囲気だったのに、ウィキを見たら2016年に短編を発表して終わっているのでショックでした。
でも、2017年に連作短編を刊行していて、とても嬉しかったのであります。
そんな風になれたらいいなぁ
(短編で受賞して、連作短編を出版←応募先は、ミステリーズ!か小説推理になるか)
もちろん、ノンジャンル系デビューも目指したいです
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