スケッチブックをもてはやすアルファギークたち
「Every Teardrop Is A Waterfall」はColdplayの曲ですね
希望の光が現れるまで、
外の世界のことは忘れて
音楽を聴いて踊ってみよう
希望の光が現れて
何があっても大丈夫だよと教えてくれた
と言う歌詞がなんか…
SHINeeとシャヲルのようでとても素敵な曲
キボミちゃんが歌うのを聴けて
嬉しいな〜(*´-`)
今日は、音楽中心とサイン会があります〜
サイン会は写真上がってくるかなぁ??
今日もファイティン
そして、そして、
タワレコの対象店ではTAEMIN DAYが開催されます〜!
今日と明日の2日限定
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本当は傷つきやすいスケッチブック
【Side 大野】
全身に、強い電流が走った。
気持ちいいとか、そういうレベルじゃない。
痛いくらいの刺激。
なのに何一つ嫌じゃない。
腰が抜けるって、多分こういうことだなって。
後ろの櫻井さんにもたれかかってしまって、櫻井さんもそのままベッドへぽすんと倒れた。
全細胞が繋がった感覚。
血液が、熱が、感覚が、快 感が。
ありとあらゆる神経が、一瞬で互いの身体を行き来したような。
髪の一本一本から、足の指の先まで…
全てが性 感 帯 になったみたいな。
触れてる部分が、熱くて、溶けてしまいそうで…。
──ああ、番になったんだ。
そう、実感する。
身体 がビクッ、ビクッ…と、長く痙攣 する。
櫻井さんもそんな感じで。
お互いの モノ からは、こんなに出るの?って位に 熱 が零れる。
こんな時なのに
思い出したのはあの日の決意だった。
*
「え…?」
『だから、雅紀が…!………!』
電話越しのチュウの声は途中からあんまり聞こえなかった。
目の前は真っ暗になって、鼓膜に膜が張ったようだ、とぼんやり思った。
──俺ね、やりたいことがあんの!
まぁくんのセリフが、わんわんと耳鳴りみたいに脳内
鳴り響く。
ああ…
俺のせいだ。
俺に薬を全てくれたから。
まぁくんの計画が。夢が。希望が。
全部崩れてしまった。
オメガであることは、一生ついてまわること。
それに真っ向から立ち向かおうとした、強いまぁくんの意思。
あんなに目をキラキラさせてたのに。
あんなに楽しそうに語ってくれたのに──。
いつの間にか腕を強く握っていて、爪が食い込む。
ぐぐ…と力を込めると、触れてもいない指の先の神経がぴくりと動く。
痛い、と思った。
だけどその痛みは、俺の罪悪感を少しだけ消してくれた。
そして、まぁくんの痛みはこんなものじゃないと奥歯を噛み締めた。
…泣くな。
自分に泣く資格なんてない。
ヒートで。
見知らぬ人に囲まれて。
自分の父親の会社で、これから働く現場で…
色んな人に襲われて。誘って。
オメガだということを知られて。
計画云々よりも、そもそも…それが何より辛かっただろうなって。
まぁくんの負った痛み。苦しみ。悲しさ。
俺には到底理解出来ない程だろう。
まぁくんにどれだけ謝ったって、過去は、心の傷は…消えない。
まぁくんのために俺が出来ることは何だろう。
そう考えて、浮かんだ答え。
まぁくんの代わりに生きること。
口を聞いてくれない可能性も考えたけど、多分…それはない。
まぁくんのことだ、きっと無理して笑って「だいしょーぶっ!」と俺を慰めてくれるだろう。
ちらりと見たのはテーブルの上のスケッチブック。
絵を…描いていけたら、なんてほんの少し思ってたけど。
描きかけだったまぁくんの笑顔の絵。
入社したらお祝いに渡せるようにと思って、数ヶ月前から準備してたやつ。
それをゴミ箱にバサリと入れた。
そんな夢、要らない。
まぁくんの眩しい笑顔を奪ったのは、俺自身だ。
まぁくんの夢が俺の夢。
ひいてはオメガの為になる。
どこまでやれるかは正直全くわからない。
だけど
…何があっても成し遂げてみせる。
いつも優しくしてくれた、まぁくんのため。
きっと茨の道だろう。
まぁくんとも気軽には話せなくなるだろう。
沢山の困難があるだろう。
だって俺はオメガだ。
基本スペックが、アルファとはどうしたって違う。
それに、番になってヒートから逃れることも当然許されない。
それでも俺は
アルファとして、生きる。
自分の人生なんて、要らない。
友人も恋人も…
夢さえも。
俺は、全てを捨てる。
そうすることでしか、この罪を償えないから……。
*
正直
苦しかった。
辛かった。
がむしゃらに取り組んだ仕事よりも
大好きな人
を騙してることが。
アルファはずるいと言われたり
オメガは害だと聞いてしまったり
心が引き裂かれるような思いだったのに
俺は何も言う権利がなかった。
何度も挫けそうになった。
何度も一人、涙を流した。
何度も弱音を飲み込んだ。
俺はこんな風に辛いと思う権利はない。
これは俺が奪ってしまった人生なのだから。
そう、何度も何度も言い聞かせてきた。
だけど
その先には、こんな幸せが待っていた。
こんな愛しい人と、出逢ってしまった。
番になれないと言ったのに
俺が不安になってると思って、
指輪を贈ってくれた優しい運命の番。
番になれと背中を押してくれた仲間達。
オメガでも変わらないで接してくれようとする、先輩や部下……。
大袈裟だけどさ。
世界って案外、愛で溢れてる気がするんだよ。
ねぇ、まぁくん。
ねぇ、棚田くん。
ねぇ、佐藤くん。
オメガって、捨てたもんじゃないよね。
悪いことばっかじゃ、ないよね。
俺さ。
オメガで良かったよ。
涙がつぅと流れたけど、拭うことさえせず、俺は天井を見ながら微笑んだ。
それでも僕はスケッチブックを選ぶ
2016年8月10日。
とても調子よく過ごしているパパ
いつの間にかお風呂も介助なしで入るようになっているし、
トイレもスタスタと一人で歩いて行ってしまう
(ついこないだまで、私が手を繋いでいたのに…)
この日は、急きょ放射線科の説明が入りました。
パパは、頭の傷の回復を待ってから放射線治療を受けることになります。
ついに始まるんだ。。。
元気そうなパパを見ていると、つい現実を忘れてしまいそうになる。
パパの脳腫瘍は浸潤性のがんであるということ。
手術で全て取りきれたと言っても、それはあくまでも可視できる範囲。
言って見れば、100パーセント取れたとは言い切れない事実。
見えないところにまで入り込んでいる可能性もある。
ちょっとでも残っていようものなら、再発だ。。。
そんなことは何が何でも避けなければ。
辛い治療になるけれど、避けては通れないものでした。
副作用の話を聞きましたが、
ある程度自分で調べていたこととそう変わりありませんでした。
パパがいつも気にしていた髪も、そのうち抜けてしまうだろうな。。
治療スタートとしては、8月18日か22日のどちらかになりそうとの事。
この4日のズレは何だろう…病院側の都合かな?
同じやるなら早い方がいいと思った私でした。
リハビリは、3種類ほどやっているようでした。
とにかく身体を動かす(理学療法)のが楽しいらしいです。
運動大好きなパパ。気晴らしにもなるよね
でも、作業療法というのでしょうか。
パパ曰く、このリハビリは勉強のようなことをするらしいのですが、
これは、やっている最中にとにかくひどい頭痛が起きるらしくて
えっ、何で!?
終わった後、鎮痛薬を飲むほど痛いみたい
よく分からないんだけど、
以下、素人二人(パパと私)が巡らせた考察デス。。
パパは今、脳の中にメスが入ったことによって
今まで築いてきた様々なニューロン(神経を構成する細胞)が断ち切られた状態。
だけど、こうして勉強する(=物事を考える)ことで、
断ち切られたニューロンをつなぎ直す作業になっている…?
これがつながれる時に、あまりに脳を使い過ぎて痛みが発生するのではないか!?
ニューロンとニューロンをつなぐ部分(シナプス)が再形成されるときの痛み!?
と、よく知りもしない事を偉そうに話していますが
(ちなみに、シナプスとニューロンの話は、私が子どもの時に国語の教科書に掲載されていて学習した記憶があります。。こんな難しい話やるんだ!?と子どもながらに驚いて、いまだに覚えています…笑)
とにかく、パパはこの頭痛を引き起こす作業療法が嫌なんだと言っていました
あと、もう一つ。
脳を切ったんだなぁと痛感することが当時ありました。
それは、適切な単語がぱっと頭に浮かばない事。
手術から1週間が経とうとしていて、
パパは少しずつ暇を持て余すようになってきたようでした。
パパから『暇つぶしになるもの持ってきて』との要求が!
暇を持て余す余裕が出てきたなんて、いいこといいこと
さて、何を持っていきましょうか
すると、パパからメールが
『最初は書いたりぬったりするやつとかいいな。』
『あと、6面の色をそろえる四角いげーむ。おれが前にやっていた』
最初は書いたりぬったり。。。塗ったり?縫ったり?
6面をそろえるゲーム。。
おっと、クイズ形式かい??
と思ったけど、ただ単にパパはそのものを示す単語が分からないとの事でした。
そうなのか。。そうなんだね。。。
それならば私が謎を解いてみせよう
でも、意外とすぐわかりました!
パパが言っていたものは『スケッチブック』と『ルービックキューブ』でした
こんな感じで、パパは単語があまりパッと浮かんでこないようで、
そのものを示すための説明をよくしていました。
本人ももどかしそうにしていましたが、
今後これは日に日に改善されていくことになります。
脳は再生しないと聞いていたけれど、
足りない部分を補おう、修復しようとする力はすごく働くんだな、
と驚き、感心したのを思い出します。
パパのことを知ってもらえたら嬉しいです
スケッチブックにうるさいあなたのためのサイト
【Side 大野】
全身に、強い電流が走った。
気持ちいいとか、そういうレベルじゃない。
痛いくらいの刺激。
なのに何一つ嫌じゃない。
腰が抜けるって、多分こういうことだなって。
後ろの櫻井さんにもたれかかってしまって、櫻井さんもそのままベッドへぽすんと倒れた。
全細胞が繋がった感覚。
血液が、熱が、感覚が、快 感が。
ありとあらゆる神経が、一瞬で互いの身体を行き来したような。
髪の一本一本から、足の指の先まで…
全てが性 感 帯 になったみたいな。
触れてる部分が、熱くて、溶けてしまいそうで…。
──ああ、番になったんだ。
そう、実感する。
身体 がビクッ、ビクッ…と、長く痙攣 する。
櫻井さんもそんな感じで。
お互いの モノ からは、こんなに出るの?って位に 熱 が零れる。
こんな時なのに
思い出したのはあの日の決意だった。
*
「え…?」
『だから、雅紀が…!………!』
電話越しのチュウの声は途中からあんまり聞こえなかった。
目の前は真っ暗になって、鼓膜に膜が張ったようだ、とぼんやり思った。
──俺ね、やりたいことがあんの!
まぁくんのセリフが、わんわんと耳鳴りみたいに脳内
鳴り響く。
ああ…
俺のせいだ。
俺に薬を全てくれたから。
まぁくんの計画が。夢が。希望が。
全部崩れてしまった。
オメガであることは、一生ついてまわること。
それに真っ向から立ち向かおうとした、強いまぁくんの意思。
あんなに目をキラキラさせてたのに。
あんなに楽しそうに語ってくれたのに──。
いつの間にか腕を強く握っていて、爪が食い込む。
ぐぐ…と力を込めると、触れてもいない指の先の神経がぴくりと動く。
痛い、と思った。
だけどその痛みは、俺の罪悪感を少しだけ消してくれた。
そして、まぁくんの痛みはこんなものじゃないと奥歯を噛み締めた。
…泣くな。
自分に泣く資格なんてない。
ヒートで。
見知らぬ人に囲まれて。
自分の父親の会社で、これから働く現場で…
色んな人に襲われて。誘って。
オメガだということを知られて。
計画云々よりも、そもそも…それが何より辛かっただろうなって。
まぁくんの負った痛み。苦しみ。悲しさ。
俺には到底理解出来ない程だろう。
まぁくんにどれだけ謝ったって、過去は、心の傷は…消えない。
まぁくんのために俺が出来ることは何だろう。
そう考えて、浮かんだ答え。
まぁくんの代わりに生きること。
口を聞いてくれない可能性も考えたけど、多分…それはない。
まぁくんのことだ、きっと無理して笑って「だいしょーぶっ!」と俺を慰めてくれるだろう。
ちらりと見たのはテーブルの上のスケッチブック。
絵を…描いていけたら、なんてほんの少し思ってたけど。
描きかけだったまぁくんの笑顔の絵。
入社したらお祝いに渡せるようにと思って、数ヶ月前から準備してたやつ。
それをゴミ箱にバサリと入れた。
そんな夢、要らない。
まぁくんの眩しい笑顔を奪ったのは、俺自身だ。
まぁくんの夢が俺の夢。
ひいてはオメガの為になる。
どこまでやれるかは正直全くわからない。
だけど
…何があっても成し遂げてみせる。
いつも優しくしてくれた、まぁくんのため。
きっと茨の道だろう。
まぁくんとも気軽には話せなくなるだろう。
沢山の困難があるだろう。
だって俺はオメガだ。
基本スペックが、アルファとはどうしたって違う。
それに、番になってヒートから逃れることも当然許されない。
それでも俺は
アルファとして、生きる。
自分の人生なんて、要らない。
友人も恋人も…
夢さえも。
俺は、全てを捨てる。
そうすることでしか、この罪を償えないから……。
*
正直
苦しかった。
辛かった。
がむしゃらに取り組んだ仕事よりも
大好きな人
を騙してることが。
アルファはずるいと言われたり
オメガは害だと聞いてしまったり
心が引き裂かれるような思いだったのに
俺は何も言う権利がなかった。
何度も挫けそうになった。
何度も一人、涙を流した。
何度も弱音を飲み込んだ。
俺はこんな風に辛いと思う権利はない。
これは俺が奪ってしまった人生なのだから。
そう、何度も何度も言い聞かせてきた。
だけど
その先には、こんな幸せが待っていた。
こんな愛しい人と、出逢ってしまった。
番になれないと言ったのに
俺が不安になってると思って、
指輪を贈ってくれた優しい運命の番。
番になれと背中を押してくれた仲間達。
オメガでも変わらないで接してくれようとする、先輩や部下……。
大袈裟だけどさ。
世界って案外、愛で溢れてる気がするんだよ。
ねぇ、まぁくん。
ねぇ、棚田くん。
ねぇ、佐藤くん。
オメガって、捨てたもんじゃないよね。
悪いことばっかじゃ、ないよね。
俺さ。
オメガで良かったよ。
涙がつぅと流れたけど、拭うことさえせず、俺は天井を見ながら微笑んだ。
スケッチブック ノンストップひきこもりアクション小説。
奈良祥子です。
あなたは、
(☝︎その時の絵がコチラ)
どう処理していいかなんて
受け止めてもらうことなんてもってのほか。
\自宅で動画でカンタンに学べる/
•◆•自己紹介•◆•
奈良 祥子 (なら しょうこ)
アートセラピスト/ 画家/コーチ
大学では美術を専攻。卒業後も
10年間仕事の傍ら画家としての
活動を続ける。
母の癌をきっかけに、様々な治療法を
探る中でセラピストになる。
***
現在は経験を活かし、
“人の人生をより輝かせる
お手伝いがしたい”という想いで、
アートセッションや講座をしています。
詳しい自己紹介はコチラです♪→
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Instagram(アート作品)
HP