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福寿草伝説
【福寿草 ふくじゅそう】
花言葉・・・悲しき思い出 永遠の幸せ
※ 最終からの続きのお話です
『お別れです ウンス殿』
黄菊を刺繍したティッテンギを空に放ち
チュソクはプジャンの顔に戻った
「出立！」
朝霧の中 チュソクの声が開京の空に響いた
ティッテンギが空から ひらひらと
この手の中に落ちてきた
黄菊の花の刺繍された上品なティッテンギ
「お前も 見放され捨てられたの？」
「お嬢様・・・」
「ばぁや もう此処で良いわ」
「一諸に参ります」
「 「女子(おなご）の行くところではありません」 と
言っていたのは ばぁやよ」
「お譲様・・・」
「此処までよ 今までありがとう」
背筋を伸ばして 凛として
両班の娘としての誇りを
あの門を潜るまでは持って居たかった
【芙蓉プヨン】 新しい私の名前
「蓮 いい名前だわ 泥の中に咲く花」
今日からは妓生として生きていかなければいけない
鴨緑江西域の軍事基地をまた一つ奪還した
勝戦の労いに迂達赤が訪れた
妓楼 【牡丹閣（モランガク）】
此処も手裏房マンボの息の掛かった妓楼で
チュソクは副隊長として
隊長チュンソクや部下の手前
心内を隠し門の中へと入る
相変わらず 妓生を寄せ付けず隅の方で
一人静かに 飲み出したチュソクを横目に
トルベが
妓楼の行首（ヘンス）に耳打ちをする
「初店の子はいないか」
「丁度 今日がその日の妓生が一人
まだ誰の席にも上がっておりません」
「では その妓生をこちらの部屋へ」
トルベが諦めさせた チュソクの恋は
思わぬ形で終わりを告げた
許婚だとばかり思っていた
チャン侍医の元からも この高麗からも
居なくなった 花の香りの医員殿
トルベはチュソクに申し訳ない気持ちと
幸せになって欲しい思いで
新しい出会いを仕掛けた
トルベに「話がある」と耳打ちされて
廊下に出たチュソクは
「プジャンこちらへ」と
牡丹閣の行首（ヘンス）に案内された
その部屋には仄かに揺れる灯りと
此方に背中を向けた妓生が座っていた
「俺はこのような事を 頼んではおらん」
クルリと踵を返すと そこにトルベが立っていた
「初店だそうだ」
開けたままの 障子の向こうで
握り締めた 小さな手と肩が震えている
「お前が断ると
この子は今晩 誰かに組み敷かれる」
油灯に揺れる小さな影が儚くて
「分かった」
静かに 部屋内へと入り声を掛ける
「名は何と言う」
「芙蓉（プヨン）と申します」
「蓮・・・・・」
あの方は陽に向う日輪草のような方であった
「心配するな 何もせぬ」
「でも・・・・」
「では 酌を頼む」
酒瓶を持ち震える手で 酒を注いだ
杯にカチカチと当たる音
細く白い綺麗な指が
今までの暮らしを物語っていた
「芙蓉（プヨン）と申したな
そなた 何か調べを聴かせてはくれぬか」
部屋の隅に立て掛けてある
伽椰琴（カヤグム）を見て 芙蓉（プヨン）に問う
「ひ・・人様にお聞かせするような腕は御座いません」
「ならば 舞はどうだ」
羞恥で耳まで赤くして芙蓉（プヨン）は下を向いた
「すみませぬ・・・ それも」
「そうか・・・・」
秀でた技能を持たぬ この女人は
男の慰み者になって生きるしかないのか
その俯いた顔を見つめて
「注いでくれ」 杯を差し出す
酌をする手が また 小刻みに震える
「いくらだ？」
「はい？」
「一晩の夜伽代金だ」
「分かりません」
「そうか」
何もしないとこの人は言ったが
奥の寝間の上掛けの赤い端が目に入り
俯く顔の前に出された杯に
飛び上がりそうになった
「酌を・・・」
「すみません」
半刻ほど此処で過ごされ
そのまま 立ち上がられる
「どちらへ？」
お酒を飲まれて 考えを変えられ
湯殿へ行かれるのかと
震える両手を握り締めて尋ねたら
「邪魔をした」
そう言って
チュソク様は そのまま部屋を出られ
妓楼の門へと向われた
チュソクは行首（ヘンス）に
多目の銀を握ら
せて
「次に俺が来るまで 誰にも上がらせるな」
「いいな」と 念を押して帰って行った
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覚えておくと便利な福寿草のウラワザ
早朝５時半、ここ数日は居間の東の窓から
日の出がのぞめ、畑と二人で早い朝食をとりながら
美しい日の出を愛でることで、
なんと幸せなことかと話し合ったものです。
3日ほど前のこと。
雲が多く、日の出を楽しむことができないな思っているうちに
突然しっかりと雪が降り始め、なんとしたことかと
思ったものです。
雪はたえまなく降り続き、またたくまに
５センチほどの積雪になりました。
のち日差しが輝き始め昼頃には
雪解けのぬかるみに戻ってしまいました。
雪解けのこの時期がここでは一番イヤな時だね、と
畑は毎年口にしています。
さすがのルナも外へ出すとぬかるみを避けて
できるだけ残雪のある箇所を選んで通ります。
若い時は、水たまり、ぬかるみと
一向にかまわず歩き回ったものですがここ数年は
成犬、すっかり大人になりました。
今朝、南側のベランダの下に、芽吹いたばかりの福寿草を
2輪見つけました。
まだほんの３ｃｍばかりの可愛らしいものですが
しっかちりと小さな黄色い花をつけています。
気温が高くなって参りましたので
間もなくその周辺に数を出して芽吹くことかと
また楽しみができました。
本日、おかげさまで畑の個展も無事終了の日をむかえることができました。
今年は畑自身も病後のこともあって
会場まで出かけず最終日を迎えましたことに少し残念な思いをしています。
足を運んでくださった皆様に、
畑とともにブログを通して深く御礼を申し上げます。
畑 純子
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2月がもう終わりますね。
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