眼鏡のララバイ

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「元に戻すには、何をすればいいのですか？」

「それはね、365日24時間感謝し続けなさい」

「えっ、365日24時間ずっとですか！」

無理無理、そんなことできるわけない。

「ふふっ、冗談よ」

「んも～、ですよね」

「でもね、とにかく感謝することが大切。だからさっきありがとうって言わせたでしょ。何か起きなかった？」

「そういえば魂が白くなりましたね」

「でしょ」

「感謝することが魂を白くするんですか」

「そうよ、それが言霊の力ってやつよ」

確かにそう考えると言霊って凄いかも。

そういえばさっき聞きたいことがあったんだった。

「白くはなりましたがすぐにグレーに戻りましたよね。何でですか？」

「何ででしょうか？」

いや、わからないから聞いているわけで。

「ヒントは何年も着込んだ白いTシャツかな」

それってヒントなの。

全然意味がわからないんですけど。

「あら、あんまりピンときてないみたいね」

あんまりじゃなくて全然ですよ。

「白いTシャツって買ったばかりのときは真っ白で、汚れても洗えばすぐに汚れはおちるわよね」

「んまあ、そうですね」

「でも何回も汚しては洗って汚しては洗ってを繰り返していると段々落ちない汚れが出てくるよね」

「黄ばみってやつですか」

「そう、黄ばみって普通に洗っても落ちないよね」

「そうですね」

「魂の汚れとTシャツの黄ばみは同じようなものよ」

「はい？」

「魂というのは生まれたときは真っ白なのに成長するにつれて段々黒くなってくるのよ」

「エゴ、悪口、ひがみ、妬み、愚痴などが魂を黒くしていっているの」

「あんたも自分勝手にわがままに、あまり感謝することものもなく生きてきたからグレーになったんでしょ」

「ま、まあ確かに…」

そんなストレートに言わなくてもいいじゃない。

でも否定できないことろがつらい…。

「Tシャツの黄ばみは、魂の黒ずみと同じこと。こびりついたものは簡単には落とせないわ」

「感謝の気持ちで一瞬白くなるけど、こびりついたものは簡単には落ちないからすぐに黒くなってしまうのよ」

「あたし5年かかって白くしたって言ったでしょ。最初はあまりにも黒すぎて一瞬たりとも白くもならなかったわ」

「だからあんたはまだいいほうなのよ」

褒められているのか何だか。

「ありがとうのような感謝の言葉を言うと魂が徐々に浄化されていくわけよ」

「言霊の力って凄いですね」

「そうでしょ、言葉には物凄い力があるの」

「いいも悪いもですね」

「そうよ、悪い言葉を使えば黒くなるし、いい言葉を使えば白くなるのよ」

「やっぱり白くなるには時間がかかるんでしょうか」

「時間と質に比例するわ」

「どういうことですか？」

「時間とは、とにかく感謝し続けること。とにかく時間をかけること」

「具体的には『ありがとう』って感謝し続けることね」

「特に言葉に出すことね」

「心をこめなくてもいいんですか？」

「実はそうなの、心がこもってなくても魂は白くなるの」

「それでいいんですか？何か納得がいかないとうか、何というか」

「ちゃんと理由があるのよ」

「理由ですか？」

「そうよ、心がこもってなくても感謝の言葉を言い続けると段々魂が白くなってくるの」

「すると、それに比例して段々心から感謝ができるようになってくるの」

「黒ずみが取れてくると本来の自分に戻ってくる、つまり満たされた自分に戻ってくるから本当に心から感謝できるようになるってわけよ」

「それだけ言葉の力って凄いの」

「本当ですか？」

「あら、何、あんた私のこと疑っているの」

「いや、疑っているわけではないのですが」

「じゃあ、私の体験談を話すわ」

おっ、また愛子さんの過去が明かされるわ。

「昔、魂が真っ黒のとき師匠から同じように『ありがとう』って言いなさいと言われたの」

「でも荒み切っていた私にはそんな心から感謝しなさいって言われても言えなかったわ」

なるほど、確かに荒み切っている人が急に心から感謝しなさいって言われてもできないか。

「でも師匠は心からじゃなくてもいいから、とにかく『ありがとう』を言い続けなさいと言ったの」

「まあ、半信半疑ながらも、とにかく言い続けたわ」

「どのくらい言い続けたのですか？」

「朝昼晩言い続けたわ。時間さえあれば言っていたわ」

「言い続けて、言い続けて、言い続けていると、フッと何かスイッチが切り替わったような瞬間があったの」

「その瞬間から何か目覚めたように心から感謝ができるようになったの」

「悟りを開いたのですか」

「いや、そんな大それたことじゃないわ。でもそれに似た感覚を味わったわ」

「それを機に段々心から感謝できるようになってきたの」

「感謝スイッチがオンになったんですかね」

「あらっ、上手いこと言うわね。でもそうかもしれないわね、黒から白に切り替わってきたタイミングだったの」

「ただ単に感謝の言葉を言っていたのから、言葉に心が入ってきたのよ」

やっぱりスイッチはあるのかも。

「これがさっき言った『時間』ってやつよ。とにかく時間をかけて感謝の言葉を言いなさいってこと」

「中身が伴ってなくても時間をかければいいってことですね」

「そうよ、中身は後からついてくるから。これは間違いないわ」

最初は疑っていたけど、愛子さんの体験だから間違いないんだろうな。

「あんた、ようやく信用してきた顔になってきたわね」

「いや～、最初から信用してましたよ」

今嘘をついてしまった。

最初は疑ってました。

あれっ、そういえば、

嘘をついて魂が少し黒くなっ�
�しまったんじゃないだろうか…。

ちょっと心配になってしまった。

愛子さんが何やら疑いの眼差しでこっちを見ている。

「あんた、メガネかけてみなさい」

やっぱり黒くなったのかな。

恐る恐るメガネをかけてみた。

あ～、やっぱり少し黒くなっている。

「嘘をついたらすぐに謝んなさい。そうすれば黒くはならないわよ」

「ごめんなさい、最初は疑ってました」

「そうそう、そうやればいいのよ」

あっ、

少し色が戻った。

良かった。

それにしてもすぐに魂って反応するのね。

「どお、いいも悪いもすぐに魂って反応するよね」

「そうですね。魂って正直ですね」

「そう、魂は嘘をつかないよの。何事にも純粋に反応するの」

純粋に反応するか。

今の私にできるだろうか？

純粋な心残っているかしら。

いや、そうなるんだ。

でも少し心配になってきた。

続きは36話でお会いしましょう！

こんなのも書いています。

「雄太」と「里美」がビジネスマンとして

何をやっていくかをマインドを通して学んでいるブログです

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これからも、生きて行くので 眼鏡