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[総括] 自己啓発とは、私にとって何だったのか
私に天職を教えてくれたのは自己啓発ではなく、故郷から遠い極東の地で、たくましく働く外国人女性達に対する畏敬の念でした。 それこそ、アルベルト・シュヴァイツァーが提唱した「生命に対する畏敬」が、私に人生の意味を教えてくれたのだと思います。
では、自己啓発とは私にとって、いったい何だったのか。 私の心を20年以上に渡って支配してきた「自己啓発という概念」を総括してこの章を閉じたいと思います。 まず、そもそもですが、「自己を啓発しなければできないようなことを何のためにやるのか?」そしてそれは、「本当にやりたいことなのか?」という疑問を私は持っています。 本来「やりたいこと」をやっていれば、自己を啓発する必要はないと思うからです。 わかりやすく説明するために、自己啓発書を読んだり、自己啓発セミナーに参加する人々を、ここでは「生徒」とさせてください。 そして、自己啓発書の著者や自己啓発セミナーの講師を「先生」とします。 先生達は共通して生徒に、「やりたいことを見つけなさい」と言います。 ですが、もう既に「やりたいことがある人」は、自己啓発している時間が惜しいはずですから、生徒にはならないはずです。 ということは、生徒は全員「やりたいことが明確でない人々」ということになるのではないでしょうか。 やりたいことが明確でない段階で先生に、「やりたいこと、好きなこと、欲しい物を書き出しなさい」と言われて本当に書けるものなのでしょうか。 無理矢理に書いたものが、実は本当に「やりたいこと、好きなこと、欲しいもの」ではないから、自己を啓発し続けないといけないのではありませんか? 先生達からしてみれば、ゴールは遠くにあればあるほど、生徒さんでいてくれる期間が長くなるので、美味しい収入源になるはずです。 そして先生達は、スティーブ・ジョブズ、ビル・ゲイツ、ウォーレン・バフェットなど、手の届かない大富豪を例にあげて、「やりたいことがみつかれば、あなたも彼らのようになれます」と言うのです。 しかし、スティーブ・ジョブズ、ビル・ゲイツ、ウォーレン・バフェットは自己啓発などしている暇はなかったと思います。 大富豪は自己啓発などしません。 つまり、生徒として勉強を始めた時点で、最初からゴールに辿りつけない別の道を歩み始めることになるのです。 それはまるで、行き先へ辿り着けない船に乗せられた自己啓発難民のようです。 ここで共通の価値観を先生達から植え付けられます。 「やりたいことを見つけて彼らのようになることを目指さなければ、人生の醍醐味は味わえない」 「やらないで後悔するより、やってから後悔したほうが良い」 キーワードは、フェラーリ、メルセデス、都内の夜景を一望できる高層マンション、世界の高級リゾート、セレブ御用達、エグゼクティブ、会員制クラブ、CEO、上場、エスタブリッシュメント… 概ねこののような価値観です。(誤差はお許しください) しかし、それは人生において本当に必要なものでしょうか。 そもそも、毎晩都内の夜景を見る必要があるのかということを、冷静に立ち止まって考えてみる必要があると思います。 この価値観で満たされた生活を手に入れるために、いつも人生に何か不足していると感じるなら、その価値観こそが不幸を引寄せているのではないでしょうか。 また、先生達は「一流のアスリート達はイメージングによって勝利を手にしている、だからあなたもイメージングを繰り返しなさい」と言います。 しかし、そもそもですが、マリア・シャラポア、タイガー・ウッズ、クリスティアーノ・ロナウド、イチローなどの世界トップアスリート達は、気の遠くなるような数の練習量を積み上げてきたからこそ現在のポジションがあるという部分が抜け落ちてはいないでしょうか。 その上で、同じくらいの練習量を積み上げてきた競争相手と対峙したときに、ギリギリの世界でイメージングの効果が発揮されるのだと思います。 つまり、その道において大勢を圧倒的に引き離すくらいの数をこなした上で、イメージングが活きてくるのです。 それをしないで、ただヒーリング系の音楽をかけ、リラックスして目を閉じ、目標を達成しているイメージを繰り返せば、それが現実になるというのは、あまりにも無責任ではないでしょうか。 何かを達成したかったら、それが既に達成されたイメージを繰り返す前に、徹底的に数をこなすことが重要であると解くのが本当の指導者だと思うのです。 人はイメージングをすればするほど行動に移さなくなるというこをを、心理学者ガブリエル・エッティンゲン教授(ニューヨーク大学、ハンブルグ大学)は臨床実験において実証しました。 彼女は著書の中で、「ポジティブ思考だけでは目標を達成できない、ネガティブな思考も重要である」と結論づけています。 興味のある方は彼女の著書をご一読ください。 |
さて、次の言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
「失敗しても成功するまで続ければ必ず成功する」 たしかに文章としては間違っていないと思いますが、次の言葉と同じだということに気づいていただきたいと思います。 「宝くじにはずれても、当たるまで買い続ければ、いつか必ず宝くじに当たる」 「時間はお金以上に価値がある」も同じように有名な言葉ですが、成功するまで失敗を繰り返すのは、その時間もお金も浪費することにはなりませんか。 先生達は、よく失敗の数の例としてエジソンの話を取り上げますが、私はエジソンは失敗していないと思います。 私はデザインを作り上げる段階で、様々な人物、背景、その他の素材をレイアウトしていきますが、そのトライの数は一つの画像を作り上げるのに数千回を超えることはザラです。 自分の中に違和感が無くなる 生きているうちに宝くじに当たるのかどうかわからないのに対して、私のやっていることは、せいぜい数日から数ヶ月で結果が出るのです。 |
農民は毎日一生懸命、畑で汗を流していました。 するとそこへ先生がやってきて、「麦を育てることは、あなたが本当にやりたいことですか?」と聞きました。 農民は、そんなことは考えたこともなかったので、「わかりません」と答えました。 先生は、「毎日イメージを繰り返せば、リンゴやバナナが食べきれないほど出来るので、あなたはそれを売って一生働かなくても暮らせますよ」と言いました。 農民は、畑を耕すのをやめて、毎日、毎日イメージしました。 二年経っても、三年経っても、リンゴもバナナも出来ませんでした。 農民が先生に相談すると、先生は言いました。 「途中であきらめると、リンゴもバナナも出来ません。まるでリンゴやバナナの木に本当に囲まれているようなつもりになって、毎日イメージを繰り返しなさい」 農民はイメージを続けました。 しかし、何年経ってもリンゴの木もバナナの木も生えてきません。 気がつくと、畑は荒れ放題になり、農民はもう自分では麦を作れなくなっていました。 畑は人手に渡り、先生はもういませんでした。(おわり) |
最後に、よく「モチベーションをかける」と言いますが、「モチベーションをかけなければ続かないことをやっている時点で、それはやりたくないことだと気づくべきです」とお伝えして、この章を閉じます。 |
自己啓発とはこれさえあれば大丈夫新発売される商品の中から、一押し作品をセレクトして紹介。
毎年、アイリッシュドレスデン社の出している干支の置物。
ことしは、なかなかリアルで可愛いのが届きました。ちなみに————豚は野生に放つと、三代ほどで猪に戻ってしまう、という話。たくましい……
「フォーチュンを売り坊」という名前がいいです。『エロイカより愛をこめて』(青池保子)のエーベルバッハ少佐(猪川少佐)の面影が……?
で、このシリーズを毎年買っている、私は基本的にコレクター。
「好きなものに囲まれている」は一応当たっているのですが……ふと、あれ、とあたりを見回すことがあります。何で、あれ、だったんだろう?
★きょう、昔の奥平亜美衣さんのブログの中に、びしりと、思い出させられた言葉がありました。2015.5.28ぶんです。
————
「本当に、想像もつかなかったことです。
そしてこれは、自分が設定して引き寄せたのでは全くありません。
① 何か目標を設定して、その通りことを達成する
② いい気分を選択し、やりたいことにただ従って、想像以上の未来を引き寄せる
引き寄せ、というと、上記の2パターンがあって、
混乱するかもしれません。
が、①は引き寄せと言うよりは、自己啓発かな、と思います。
で、私が書いているのは、常に②です。
どちらがいい、というわけではなく、どちらかでなくてはいけないというわけでもなく、
どんな方法をとるもの自由なのですが、
私がおすすめするのは②です。
①は、その望みが叶っても、幸せとはまた別問題だからです。”」
★いつもこの①と②は自分の中でもまじりあい、つい、足を踏み外しがちだ、ということを思い出します。
たとえば「こうであってほしい」「こうなることが望み」と設定する(①)と、それに対しては、もちろんワクワクはするのですが、何かカタチが「燦然たる」終着点になっています(お金が手に入るとか、仕事がうまく行くとか、ほしいものが買えたとか)。
しかしほんとうは②。カタチが目標ではなく、いい気分・感動を引き寄せたいのです。その場合は、目標も次々変わったり、思いもかけないほうに行ってしまったり、けれども「自分自身」にどんどんなってゆく方向です。これは、確かにビジネス的な自己啓発とは別。
バシャールの名言に
Circumstances Don’t Matter Only State of Being Matters.
というものがあります。「あなたを取り巻く状況は問題ではない。あなたのありかただけが問題なのだ」
★どちらへ行きたいか、まず方向が必要なので、たとえばお店を出したい、と思ったとします。すると、そこへ向けて情報を集めたり、行動してみたり、こんなのがいい、とイメージしたりします。
しかし、それは、微妙に「状況にこだわっている」。
じつはお店を出して、どんな「気分になっているか」のほうが、目的。
前に、達成したい項目をキルトに縫うという話を書いたことがありますが————私はつい、つい、カタチを求めて、そこに入ったら安心、になりがちです。
ドクター・ドルフィン松久正さんが言うように、「ワクワク」はモノやコトに対しての運動になりやすいです。だから状況とは関係ない「ぷあぷあ」こそが、エネルギーの生き方。
ということは、いま、何かのカタチを達成していなくてもいい……ということになります。
State of Being でありつつ、方向にとらわれず、でもちゃんと動くためには————毎瞬、自分の喜びを求めること……フォーチュンですね……
↑これからまいにち フォーチュン!
色んなショップの自己啓発とはをリサーチ!
[総括] 自己啓発とは、私にとって何だったのか
私に天職を教えてくれたのは自己啓発ではなく、故郷から遠い極東の地で、たくましく働く外国人女性達に対する畏敬の念でした。 それこそ、アルベルト・シュヴァイツァーが提唱した「生命に対する畏敬」が、私に人生の意味を教えてくれたのだと思います。
では、自己啓発とは私にとって、いったい何だったのか。 私の心を20年以上に渡って支配してきた「自己啓発という概念」を総括してこの章を閉じたいと思います。 まず、そもそもですが、「自己を啓発しなければできないようなことを何のためにやるのか?」そしてそれは、「本当にやりたいことなのか?」という疑問を私は持っています。 本来「やりたいこと」をやっていれば、自己を啓発する必要はないと思うからです。 わかりやすく説明するために、自己啓発書を読んだり、自己啓発セミナーに参加する人々を、ここでは「生徒」とさせてください。 そして、自己啓発書の著者や自己啓発セミナーの講師を「先生」とします。 先生達は共通して生徒に、「やりたいことを見つけなさい」と言います。 ですが、もう既に「やりたいことがある人」は、自己啓発している時間が惜しいはずですから、生徒にはならないはずです。 ということは、生徒は全員「やりたいことが明確でない人々」ということになるのではないでしょうか。 やりたいことが明確でない段階で先生に、「やりたいこと、好きなこと、欲しい物を書き出しなさい」と言われて本当に書けるものなのでしょうか。 無理矢理に書いたものが、実は本当に「やりたいこと、好きなこと、欲しいもの」ではないから、自己を啓発し続けないといけないのではありませんか? 先生達からしてみれば、ゴールは遠くにあればあるほど、生徒さんでいてくれる期間が長くなるので、美味しい収入源になるはずです。 そして先生達は、スティーブ・ジョブズ、ビル・ゲイツ、ウォーレン・バフェットなど、手の届かない大富豪を例にあげて、「やりたいことがみつかれば、あなたも彼らのようになれます」と言うのです。 しかし、スティーブ・ジョブズ、ビル・ゲイツ、ウォーレン・バフェットは自己啓発などしている暇はなかったと思います。 大富豪は自己啓発などしません。 つまり、生徒として勉強を始めた時点で、最初からゴールに辿りつけない別の道を歩み始めることになるのです。 それはまるで、行き先へ辿り着けない船に乗せられた自己啓発難民のようです。 ここで共通の価値観を先生達から植え付けられます。 「やりたいことを見つけて彼らのようになることを目指さなければ、人生の醍醐味は味わえない」 「やらないで後悔するより、やってから後悔したほうが良い」 キーワードは、フェラーリ、メルセデス、都内の夜景を一望できる高層マンション、世界の高級リゾート、セレブ御用達、エグゼクティブ、会員制クラブ、CEO、上場、エスタブリッシュメント… 概ねこののような価値観です。(誤差はお許しください) しかし、それは人生において本当に必要なものでしょうか。 そもそも、毎晩都内の夜景を見る必要があるのかということを、冷静に立ち止まって考えてみる必要があると思います。 この価値観で満たされた生活を手に入れるために、いつも人生に何か不足していると感じるなら、その価値観こそが不幸を引寄せているのではないでしょうか。 また、先生達は「一流のアスリート達はイメージングによって勝利を手にしている、だからあなたもイメージングを繰り返しなさい」と言います。 しかし、そもそもですが、マリア・シャラポア、タイガー・ウッズ、クリスティアーノ・ロナウド、イチローなどの世界トップアスリート達は、気の遠くなるような数の練習量を積み上げてきたからこそ現在のポジションがあるという部分が抜け落ちてはいないでしょうか。 その上で、同じくらいの練習量を積み上げてきた競争相手と対峙したときに、ギリギリの世界でイメージングの効果が発揮されるのだと思います。 つまり、その道において大勢を圧倒的に引き離すくらいの数をこなした上で、イメージングが活きてくるのです。 それをしないで、ただヒーリング系の音楽をかけ、リラックスして目を閉じ、目標を達成しているイメージを繰り返せば、それが現実になるというのは、あまりにも無責任ではないでしょうか。 何かを達成したかったら、それが既に達成されたイメージを繰り返す前に、徹底的に数をこなすことが重要であると解くのが本当の指導者だと思うのです。 人はイメージングをすればするほど行動に移さなくなるというこをを、心理学者ガブリエル・エッティンゲン教授(ニューヨーク大学、ハンブルグ大学)は臨床実験において実証しました。 彼女は著書の中で、「ポジティブ思考だけでは目標を達成できない、ネガティブな思考も重要である」と結論づけています。 興味のある方は彼女の著書をご一読ください。 |
さて、次の言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
「失敗しても成功するまで続ければ必ず成功する」 たしかに文章としては間違っていないと思いますが、次の言葉と同じだということに気づいていただきたいと思います。 「宝くじにはずれても、当たるまで買い続ければ、いつか必ず宝くじに当たる」 「時間はお金以上に価値がある」も同じように有名な言葉ですが、成功するまで失敗を繰り返すのは、その時間もお金も浪費することにはなりませんか。 先生達は、よく失敗の数の例としてエジソンの話を取り上げますが、私はエジソンは失敗していないと思います。 私はデザインを作り上げる段階で、様々な人物、背景、その他の素材をレイアウトしていきますが、そのトライの数は一つの画像を作り上げるのに数千回を超えることはザラです。 自分の中に違和感が無くなる 生きているうちに宝くじに当たるのかどうかわからないのに対して、私のやっていることは、せいぜい数日から数ヶ月で結果が出るのです。 |
農民は毎日一生懸命、畑で汗を流していました。 するとそこへ先生がやってきて、「麦を育てることは、あなたが本当にやりたいことですか?」と聞きました。 農民は、そんなことは考えたこともなかったので、「わかりません」と答えました。 先生は、「毎日イメージを繰り返せば、リンゴやバナナが食べきれないほど出来るので、あなたはそれを売って一生働かなくても暮らせますよ」と言いました。 農民は、畑を耕すのをやめて、毎日、毎日イメージしました。 二年経っても、三年経っても、リンゴもバナナも出来ませんでした。 農民が先生に相談すると、先生は言いました。 「途中であきらめると、リンゴもバナナも出来ません。まるでリンゴやバナナの木に本当に囲まれているようなつもりになって、毎日イメージを繰り返しなさい」 農民はイメージを続けました。 しかし、何年経ってもリンゴの木もバナナの木も生えてきません。 気がつくと、畑は荒れ放題になり、農民はもう自分では麦を作れなくなっていました。 畑は人手に渡り、先生はもういませんでした。(おわり) |
最後に、よく「モチベーションをかける」と言いますが、「モチベーションをかけなければ続かないことをやっている時点で、それはやりたくないことだと気づくべきです」とお伝えして、この章を閉じます。 |
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